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【2025/04/29 01:21 】 |
182 デス・インカーネイト2


仲間の死を次々に確認して悲嘆に暮れる拙僧の耳に、金属と金属の激しくぶつかり合う音が響いた。


まだ、戦っている奴がいる?


すぐさま拙僧は音のする方へと向かった。
音の先には複数名の帝国兵に囲まれながら、戦っているナジルの姿があった。

「ナジル!今助けるぞ!」



オラァ!



くたばれい!

瞬く間に敵兵をことごとく倒すと、ナジルもまた眼前の敵を斬り伏せたところだった。



「助かったぜ。正直ヤバかった。」
「間に合って良かった。」
「正直、あんたを疑い始めてたんだ。裏切者じゃないかってな。しかし今命を救ってくれたからその疑いも晴れた。」
「そんなことはどうでもいい。とにかく早く脱出しよう。他には誰も生きていないのか?バベットとアストリッドは?」
「わからん。帝国軍が聖域に雪崩れ込んできて、あっという間に皆散り散りになったからな。」
「そうか・・ではとりあえずお前は外に出ろ!拙僧はもう少し聖域を探してみる。」
「火の手がものすごいことになってきてるぞ。時間はあまり残されてないぜ。」
「分かってる。お前は早く行け!」



拙僧はその後、聖域内のまだ火勢の弱いところを探してみたが、バベットもアストリッドも見つからなかった。
夢中になって探していた拙僧だったが、気がつくといつのまにか拙僧は火の手にすっかり囲まれていることに気付いた。

「ちきしょお。こんな所で死んでたまるか!」
「私のところに来なさい。そして私を抱きしめなさい。」

拙僧が絶叫した時、またも頭の中に声が聞こえた。この直接、語りかけてくる声は・・・夜母か。

「早くしなさい、『聞こえし者』よ・・。時間はありません。」

拙僧は無我夢中で夜母の棺が置いてある部屋へと走り、夜母の棺へ飛び込むと、急いで内側から棺を閉めた。
その瞬間を待っていたかのように、激しい爆発の音が何度も聖域内で響いた。



「聞こえしものよ。あなたはアストリッドと会って話をせねばなりません。」
「彼女は生きているのか!?」
「ええ。しかし、その命の火はかなり小さくなっている。あなたは早く彼女の元へ行かなければならない。」
「どこに行けばいい?」
「この聖域内にいます。彼女の部屋の・・さらに奥に行きなさい。小部屋があります。」
「分かった。この命が助かれば、あんたの指示に従うとしよう。」
「フフフ・・・あなたは死にませんよ。それにあなたのある限り、闇の一党もまた・・。」

その言葉を最後に拙僧の意識は途切れた。気を失ったのだ。
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【2012/07/28 21:46 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
181 デス・インカーネイト1


無事を願う拙僧が聖域へと辿りついて、まず初めに見たのは
『神童』フェスタスが矢で針鼠にされて木に縫い付けられた姿だった。

くっ・・・1人。



中に入った拙僧は、帝国兵を2~3人道連れにして倒れているヴィーザラの姿を目にした。

くそっ・・・2人。



聖域内は火の海だ。
まるでニブルヘイムにそっくり。セフィ●スが出てきそう。



大洞窟内で複数の兵士に滅多斬りにされているアーンビョルンを発見した。
すでに獣化していたが、拙僧が彼の下に辿り着いた時には息絶えていた。

くっ・・3人。



「てめえら、絶対許さねえぞっ!」

死しても尚、アーンビョルンに冷笑を浮かべながら剣を突き立てていた兵士達を拙僧は一撃で倒していった。



錬金室では不思議ちゃん『ガブリエラ』が血の海に沈んでいた。
くそっ。まだ口説いてすらいなかったのに・・。

・・・4人。



傍らでは聖域のアイドル・ペットの『リス』(蜘蛛だけど・・)も殺されていた。

・・・4人と1匹。

くそおおおお!生き残っている奴はいないのか!?
【2012/07/28 19:01 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
180 帝国を倒すには3


「どけ!」
「一体どうするつもりだ?」
「決まっている。聖域へと戻り、仲間を助ける。」
「仲間ってさっきお前は売られたばかりなんだぞ。」
「関係ない。誰を殺し、誰を生かすかは拙僧が決める。」

そう言うが早いか、拙僧は剣を構えて、衛兵の懐へと飛び込んでいった。



塔の上の帝国兵を斬り伏せ、拙僧はソリチュードの街へ出た。

・・しかし、正直信じられない。
あれほど結束力の強かった『闇の一党』に裏切者がいるなんて。
拙僧は家族とさえ思い始めていたのだが・・。



聖域周辺には帝国兵がワンサカいた。
その中でも拙僧たちが突入を試みた場所にいた兵士達はまさに災厄に遭遇したような面持ちであっただろう。
拙僧もシャドウメアも守護霊もまさに暴風雨のごとき働きで敵の囲みを突っ切ったのだ。


・・皆、生きていてくれ。

聖域へ向かう間、ひたすらそれだけを考えていた。
【2012/07/28 18:14 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
179 帝国を倒すには2


さすがにソリチュードのドーン城ともなれば、厨房はデカイな。
コック帽や制服も一通り揃っているようだ。



一式借りてみた。結構様になってるな、うん。



「美食家様ですね。お待ちしておりました。ポタージュ料理の下ごしらえはほぼ済んだんですけど、仕上げの指示を頂きたいんです。」
「わかった。美食家自身の指示だ。ありがたく受け取れ。」
「はい!感激です!」
「まずは『スイートポテト』だ。」
「・・なるほど。芳醇な甘みが広がりますね。私も時々使うんです。」
「次は『吸血鬼の遺灰』だ。」
「ひっ。本気ですか!?」
「・・・美食家に口答えするのか?」
「いえ、決してそのような。なぜか厨房に材料もあることですし。」
「次は『巨人のつま先』だ。」
「ええ!?」
「コリコリした弾力があると、ポタージュ全体の味が増すんだ。」
「・・・そ、そうなんですか。なるほど、勉強になります。これも何故か厨房に材料がありました。」
「そして『金貨』だ。」
「も、もう驚きませんよ!そうか、あのざらざらした舌触りは、これが正体だったんですね。」
「ああ、そうだ。」
「これで終了ですね。では食堂へ料理を運・・・」
「待て!まだ最後の隠し味を入れていない。」
「え?そうなんですか!?てっきり完成したとばかり。」
「これを入れろ。」

そう言って拙僧はジャリンの根を取り出した。



ジーナは躊躇いもなく、ジャリンの根を鍋の中に入れ、しばらく煮込んだ後、火を止めた。

「美食家様。では食堂へと参りましょう。皇帝陛下を始め、来賓の方々があなたとお会いになりたがっています。」

そう言って、自分は鍋を抱え食堂へと歩き出した。
拙僧も後に続く。



「おお!そなたが美食家か。会えるのを楽しみにしていたぞ!」



「美食家を呼んで料理が食えるとは、皇帝というのも辞められんの~。」

そう言って拙僧特製のポタージュをあっさりと皇帝は口に入れた。



うっ。




皇帝は一瞬でソブンガルドへと召された。



皆の視線が皇帝に集まった一瞬の内に、拙僧は塔の上へと逃げ出した。

階下からは同席した貴族やら兵士やらジーナの叫び声が聞こえてくるが、構っていられるはずもない。



止まれ!闇の一党め!」

脱出を試みる拙僧の前に、大勢の兵士たちが立ちふさがった。
そしてマロ指揮官が拙僧を見下ろしていた。

「よくも、わが息子を!お前は必ず成敗してやる。」
「えらく情報通だな?」
「お前の仲間の一人が裏切ったのさ。お前の命と引き換えに、闇の一党を見逃してくれだとよ。」
「まさか。」
「事実だ。だが俺の気が変わった。お前を始末し、さらに闇の一党も壊滅させることにしたよ。今頃、アジトの仲間もソブンガルドへ召されていることだろう。悪人のお前らでも行けたらの話だがな。」
【2012/07/28 12:01 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
178 帝国を倒すには1


「全ての準備が整ったわ!」
「いよいよ本命だな。」
「そう。帝国の皇帝を暗殺し、我々闇の一党が昔のように名を轟かせるの。」
「拙僧が美食家に扮すればいいんだな?」
「ええ。皇帝を手にかける名誉をあなたに与えるわ。」



「具体的にはどう進めれば良い?」
「このジャリンの根を使って。料理に混ぜるの。すぐに効き目が現れるわ。もしかすると皇帝は自分が死んだことに気付かないかもしれないぐらいよ。だから決して味見をしようだなんて思わないことね。」
「その後は?」
「逃げるのよ。食堂の隅に塔の上に繋がる階段があるから、そこへ向かって頂戴。ワイロや脅し等思いつく限りのあらゆる手段を使って、手配をしておいたからその先は心配ないわ。」



「び、美食家!あなたほどの高名な方がいらっしゃるとは。どうぞお入りください。皇帝陛下はあなたの料理を心待ちにしていることでしょう。」

通行証を見せると、警護の任に当たっていたマロ指揮官は、びっくりした様子だったが、拙僧を通してくれた。



厨房ではこの城の料理長であるジアーナが、料理の下ごしらえを進めていた。
【2012/07/28 11:08 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
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