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【2025/05/01 16:11 】 |
122 狼を呼びし者


ソリチュードで、拙僧は雷鳴に打たれた。
電流が体中を走り、喉がカラカラに渇いた。

これが一目ぼれというやつなのか。
初めての感情に、初心な子供のように戸惑った。

執政の声も聞こえているようで聞いていない。
半ば反射神経で、依頼に対して「諾」と答えていた。



ウルフスカル洞窟で、最近奇妙な出来事が多発している。
おそらく山賊か野生動物の仕業であろうというのが、執政の見解だった。

だが拙僧が訪れたそこは、とてつもない事態を生じさせていた。



「侵入者だ!始末しろ!」

拙僧に気付いた死霊術士やドラウグルが次々と襲い掛かってきた。



「ポテマよ、降臨あれ!」

中央の塔の上では、呪術師が不思議な儀式を行っていた。
どうやら召還の儀式のようである。
ポテマ・・・はて、聞き覚えのあるような名前だが。



とりあえず、あまり良くない事態が進行していることは間違いない。
儀式を止めさせようと、呪術師を倒そうとしたが、顔面に矢を食らっても倒れなかった。

「こ、こいつ。すでに精神が肉体を凌駕しているっ!!」

拙僧とリディアが何度攻撃を繰り出しても、なかなか倒れなかったが、頭上の光が飛び去るのを見届けた後、ようやくドウと倒れた。

果たして、儀式は中断させることができたのだろうか・・?



あとには召還陣だけが残った。



拙僧はともかく報告をしに、ソリチュードの宮殿へ戻った。

「よくやってくれました。大事に至らずに済んで、本当に良かった。」
「まだ何とも言えませんよ。儀式は完成したのかもしれない。」
「そうですの?・・・それなら憂うべきことですわね。」
「大丈夫です。拙僧がお守りして差し上げる。」
「え?」
「あ、いや、・・えーと、ようはここの従士になりたいという訳です。拙僧の此度の働きはそれに見合ったものだと思いますが。」
「あら、それはそうですわね。確かにあなたは十二分の功績を上げて下さいました。宜しいでしょう。あなたには従士の位と、住居を与えましょう。」
「光栄に存じます。」
「あなたにはこの街とここに暮らす民に忠誠を誓ってもらわねばなりません。」
「誓いましょう。あなたへの愛にかけて。」
「え?」
「いや、首長と首長の治める街と民を愛するように、忠義を尽くす・・という意味です。」
「あ、そ、そうですか。それなら宜しいのですが。」


こうして、拙僧はソリチュードの従士となった。
首長エリシフの為なら、全世界を敵に回してもいいぐらいだ。

ついに拙僧が全精力を傾けてでも守りたい女が出来たぜーっ!
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【2012/06/11 23:11 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
121 明かりを消せ!3


「ここがそうか。」

アイスランナー号にいたブラック・ブラッド団を全滅させた拙僧は、ジャリーラがいるというブロークン・オール洞窟へとやってきていた。



洞窟内には難破船が何隻もあった。
ふむ?もしかして落石か何かで閉じ込められたのか。
(まるでグーニーズの世界だな。)



映画と違うのは、海賊達のおもてなしが陳腐なこと。



ホラホラ!そんなにあっさりとやられてちゃ、つまらんだろ!
誰も映画館に来てくれないぜええ!!ふはははははーーー!!



洞窟の最奥に進むと、決死の表情をしたジャリー・ラが待ち構えていた。

「会いたかったぜええええぇ!ジャリー・ラさんよぉ!!」
「くそおおっ!てめえは化けモンか!」
「まだ化けモンの方がましだろうよ。てめえは絡んじゃいけねえ相手に絡んじまったなあ!」
「ちきしょおお!てめえの方がよっぽど、悪者じゃねえか。」
「拙僧は正義とか悪とか言ってんじゃねえよ。ただお前は、拙僧をキレさせた。・・それだけだ。」



ジャリー・ラを始末した後、もちろん宝を回収するのも忘れてはいない。
今回のアイスランナー号の積荷だけでなく、ブラック・ブラッド団が蓄えた宝をすべてごっそりと頂いた。
うっしっし。
・・・確かに拙僧は悪かもな~。
【2012/06/10 11:47 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
120 明かりを消せ!2


人家のある所から遠く離れた入り江の一角に、アイスランナー号は漂着していた。
すでに航行不能になっているらしく、人々が気忙しげに動き回っていた。



「おお、あんたが協力者か。話は聞いてる。ディージャは船倉の奥であんたを待ってる。」

船で動き回っているのは、どうやらブラック・ブラッド団という新興の盗賊団だけらしい。
はて、アイスランナー号の乗組員はどうしたのか??



くそっ。皆殺しにされてる。
・・・ジャリー・ラめ。拙僧を欺いたな。



「待ってたよ。協力者さん。」
「あんたがディージャか。積荷はすべて運び出したようだが、拙僧の取り分はどこだ?」
「ふふふ。ジャリー・ラから聞いてるよ。礼を尽くしてくれってね。私のナイフの味なんてどうだい!?」



「やっぱりそういう展開かよ。」

返り討ちにしたディージャの懐から、ジャリー・ラの手紙が入っていた。



「なになに。『何も知らずに協力してくれた大馬鹿がそっちに行くから始末しろ。事が済んだら、ブロークン・オール洞窟で落ち合おう』だと。ふざけてやがる。」

今、決まった。
ブラック・ブラッド団は今日を限りに壊滅だ!!

ブラック・ブラッド団にとって、災厄とも言える長い長い夜が始まった。



オラァ!



オラオラオラオラアーーーッッ!!!
【2012/06/10 11:22 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
119 明かりを消せ!1


「あんたが仕事を世話してくれるって聞いたんだが・・・。」

ウインドヘルムからはるばるソリチュードへやってきた拙僧は、長旅で心許なくなった懐を温める為、小遣い稼ぎをしようと決心していた。そこへ宿屋の店主から、ジャリー・ラというアルゴニアンが仕事の相棒を探していると聞いて、彼の元にやってきたのだった。

「おう、いいだろう。実はあんたに頼みたいのは簡単なことだ。『ソリチュード灯台の火を消して欲しい』んだ。」
「は?灯台の火を?何故だ。」
「灯台の目印がなくなったら、どうなる?進路を間違えた船が難破するだろう。そこを俺の仲間が、沈没して駄目になる前に、荷物を救出するってわけだ。」
「つまり『奪う』ってことか?」
「まあ、そういう言い方もあるかもな。」
「おいおい、じゃあ乗組員はどうなる?」
「助けるさ。英雄として、扱われるようになるだろうな。あんたもかんでみないか?」

正直、盗賊ギルド以外に暗躍している連中がいるのも気に入らないが、後で叩き潰すとして、まずは彼らのお手並みを拝見しようという気になった。
拙僧は、ジャリー・ラの話に乗った。



「ここかあ。初めてだな、ここ来るの。無人の灯台なんて、あんまり気にしてなかったからな。」



おお、燃えとる。燃えとる。



ほらよっと。



拙僧はジャリー・ラと待ち合わせることになっていた港で、予定通り合流した。

「よくやってくれたな。標的のアイスランナー号は、狙い通り付近の入り江で座礁したようだ。」
「拙僧の報酬は?」
「妹のディージャが払ってくれる。彼女はアイスランナー号に仲間と共にいる。」

・・やれやれ、たらい回しか。
嫌な予感がするぜ。
【2012/06/10 11:02 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
118 続・氷の上の血3


「ありがとう。我が過ちを、お前が正してくれたらしいな。恩に着る。」

宮殿に報告に行くと、ヨルレイフの方からすっ飛んできて、拙僧に礼を述べた。
全くだぜ。

「これから先、この街の衛兵はお前に敬う姿勢を見せるだろう。いや、街の者皆がお前に感謝している。」



「ふん!我が予言を聞かせてやったおまえ自身が、予言を外させるとはな。」

ああ、確か「殺人は明日の晩に起こる」とか言ってたな~。
仰るとおりだけど、拙僧が何もしてなくても、あんたの予言は外れてたと思うぜ。

ま、憎まれ口を叩けるぐらいにウーンファースも元気で良かった。



そして、拙僧はウインドヘルムの首長と会見する機会を持った。
そう、スカイリム全土を2分する内戦のキッカケを作った男『ウルフリック・ストームクローク』とである。

彼は良くも悪くも真っ直ぐな男だった。
理想を貫こうとする姿勢に一点の曇りもなく、男として魅かれるのに十分な器だった。

「この街の従士になってはくれないか?そして私と共に帝国と戦ってはもらえないだろうか?」
「すまないが、意に添えそうもない。」

予めこう問われるを予期し、答えを準備しておかなければ拙僧は今、「否」とは言えなかっただろう。

「なぜだ?」
「帝国が正しいとは思わない。だがあんたも正しいとは思えない。それだけさ。」
「そうか。」
  1. この街の灰色地区と呼ばれる地区に住むダークエルフや港湾で働くアルゴニアンを見る限り、ウルフリックの言う『スカイリムの解放』は単にノルドに限定したもののようだ。まずそれが拙僧の癇に障った。
  2. 次に上級王を殺害したこと。理想を貫くために邪魔者を力づくで排除する点は、拙僧にしてみれば、欲得で動く強盗となんら変わらない。自分が正しいと思ってる分、余計に吐き気がするぐらいだ。


「これからどうする?」
「さあてね。ソリチュードでも行ってみるかな。やはり双方の側に立ってみないと、公平でないからな。」
「抜け抜けという奴だな。」

ウルフリックは心底おかしそうに笑った。

「何とも気持ちの良い奴だ。だがもしお前と戦場で敵として出会った時、私は容赦しないぞ。」
「望むところだ。」

こうして拙僧とウルフリックの会見は終わった。
今後、二人の道が交差することがあるのかどうか・・・まだ誰にも分からない。


(作者にも分からない。。)

【2012/06/09 20:55 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
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