ソリチュードで、拙僧は雷鳴に打たれた。

電流が体中を走り、喉がカラカラに渇いた。
これが一目ぼれというやつなのか。

初めての感情に、初心な子供のように戸惑った。
執政の声も聞こえているようで聞いていない。
半ば反射神経で、依頼に対して「諾」と答えていた。
ウルフスカル洞窟で、最近奇妙な出来事が多発している。
おそらく山賊か野生動物の仕業であろうというのが、執政の見解だった。
だが拙僧が訪れたそこは、とてつもない事態を生じさせていた。
「侵入者だ!始末しろ!」
拙僧に気付いた死霊術士やドラウグルが次々と襲い掛かってきた。
「ポテマよ、降臨あれ!」
中央の塔の上では、呪術師が不思議な儀式を行っていた。
どうやら召還の儀式のようである。
ポテマ・・・はて、聞き覚えのあるような名前だが。
とりあえず、あまり良くない事態が進行していることは間違いない。
儀式を止めさせようと、呪術師を倒そうとしたが、顔面に矢を食らっても倒れなかった。
「こ、こいつ。すでに精神が肉体を凌駕しているっ!!」
拙僧とリディアが何度攻撃を繰り出しても、なかなか倒れなかったが、頭上の光が飛び去るのを見届けた後、ようやくドウと倒れた。
果たして、儀式は中断させることができたのだろうか・・?
あとには召還陣だけが残った。
拙僧はともかく報告をしに、ソリチュードの宮殿へ戻った。
「よくやってくれました。大事に至らずに済んで、本当に良かった。」
「まだ何とも言えませんよ。儀式は完成したのかもしれない。」

「そうですの?・・・それなら憂うべきことですわね。」

「大丈夫です。拙僧がお守りして差し上げる。」

「え?」
「あ、いや、・・えーと、ようはここの従士になりたいという訳です。拙僧の此度の働きはそれに見合ったものだと思いますが。」
「あら、それはそうですわね。確かにあなたは十二分の功績を上げて下さいました。宜しいでしょう。あなたには従士の位と、住居を与えましょう。」
「光栄に存じます。」
「あなたにはこの街とここに暮らす民に忠誠を誓ってもらわねばなりません。」
「誓いましょう。あなたへの愛にかけて。」

「え?」
「いや、首長と首長の治める街と民を愛するように、忠義を尽くす・・という意味です。」

「あ、そ、そうですか。それなら宜しいのですが。」
こうして、拙僧はソリチュードの従士となった。

首長エリシフの為なら、全世界を敵に回してもいいぐらいだ。
ついに拙僧が全精力を傾けてでも守りたい女が出来たぜーっ!

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