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【2025/03/10 21:11 】 |
015 アニスの小屋


ある日のこと、リバーウッド周辺の森でいつものように草花の採取をしていた俺は、通りがかった美女に突然話しかけられた。

「あれ?・・・もしかして・・・カイト・・くん?」
「え?・・・え、えーと・・・。」
「ハルカよ!ハルカ!高等教育時代の・・・もしかして忘れちゃった!?」
「え?え?嘘!ハルカ先輩っすか!マジっすか!」
「マジっすよ。」
「なんでなんでなんでスカイリムにいるんですか?」
「カイト君の方こそ、何でここに?シロディールの帝都大学に進学するのが夢だったんでしょ?」


俺は美人で有名だった先輩との再会に胸を躍らせていた。

高等教育時代、憧れで高嶺の花だった先輩とちょっとした事を契機に知り合うことができ、先輩が卒業するまでの1年足らずの間に冗談を言い合える程の仲になったのだ。

その後は残念ながら、大学に進学する俺と家業を継いだ先輩とで、進路は完全に分かれてしまい、音信も不通になっていたのだが、当時の思い出は今でも俺の心を昂ぶらせる。


鍛冶屋を継いだ先輩は、瞬く間に腕を挙げ、両親を説得して、ここスカイリムに武者修行に来ていた。スカイリムにはシロディールには無い様々な鉱石が採取できる上、タムリエル全土に名声を轟かせる鍛冶屋もいる。

リバーウッドに家を構えた先輩は鍛冶で生活道具を作ったり、傭兵の真似事をしたりして、生計を立てて暮らしていた。そしてまとまった金ができると鉱石の採掘をしにあちこちへ数日間旅を出る・・ということを繰り返しているらしい。



「今日はどうしたんです?」
「この近くに古い小屋があってね。随分前から変なお婆さんが住み着いたらしいのよ。風貌が怪しげらしくて、村の人々は気味悪がって、近寄らないようにしてたらしいんだけどね。『やっぱりこのままの状態を維持するのも問題だ』みたいな意見が出て、結局私が請負料と引き換えに調査に出向くことになったわけ。」
「そんなの危ないですよ!」
「あら?私、こう見えても腕は立つわよ。」
「でも先輩一人じゃ心配です!迷惑かけませんから、俺も一緒に行かせてください!」
「そ、そう?じゃあ、一緒に来てもらおうかしら。ふふ・・・正直言うと、ちょっぴり怖かったんだあ、私。」



「見ての通りのタダの婆さんですじゃ。ご心配をおかけしてすみませんでしたね。」

小屋を訪れた俺達は、入口に置かれた椅子に腰掛けたお婆さんを発見したのだが、特に怪しいところはなかった。話しぶりからも穏やかで思慮深い様子が見て取れた。

急遽、雨が降り出したので、俺達は小屋の中に避難させてもらった。



雨が小降りになった頃、お婆さんは川に水を汲みに行くと言って、出かけてしまった。

「特に怪しいところはなかったですねえ。」
「そうねえ。・・・あら?これは何かしら?」

先輩がしゃがんでいる先を見ると、雑品等で巧妙に隠された地下室への扉があった。



「ここって・・・。」
「先輩、こんなところに手紙があります!」



「うわ。あの婆さん、指名手配中の魔法使いみたいですよ。」
「どうやら仲間とここで合流する手はずだったようね。」
「すぐここを脱出して、人を呼びましょう。」
「そうね。」



俺と先輩が小屋を飛び出した途端、あさっての方角からいきなり火炎呪文を浴びせられた。

「うわっちっち!アチチチチチ!」
「きゃー!」

火炎呪文を浴びせたのは、鬼の形相をしたお婆さんだった。
先程までの仏のような表情とはまるで別人であった。

「私の秘密をどうやら知ってしまったようだねえ!生きて帰しやしないよぉ!!」



くそっ!やられてたまるかってんだ!?

俺は渾身の力で雷撃を放出した。



うわああああああ!

俺の雷撃を浴び、指名手配犯アニスは絶叫をあげた。



こ・・こま・・で・・・か。



「すごいじゃない、カイト君お手柄よ!」
「いやあ、夢中だったもんで、もう何が何だか。」
「ともかくリバーウッドに戻りましょう。報告しないといけないし。そうだ・・私の家に来ない?臨時収入も入るし、ご馳走するわよ。」
「よ、よろこんで!」
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【2012/09/04 23:47 】 | 伝承の旅 | 有り難いご意見(0)
014 逃亡者と狩人


リバーウッド周辺で草花の採取に勤しんでいたある日、見知らぬ男が現れ、「この荷物を預かってくれ。」と強引に盾を渡してきた。不思議な光のオーラを放っており、一見して魔法がかかっていることが分かった。

「これってどういう・・」
「詮索なんかするんじゃねえ!誰かにそれを売り払ったり、俺を騙そうとしやがったら、タダじゃおかねえからな!ぶっ殺すぞ!」

カッチーン!

・・・我が家訓に『無礼者には無礼で返せ』という言葉あり。



「ふさけんじゃねえぞ、この野郎!何だ!?その言い草は!」



ぐへえ!



不埒な奴をあっさりと成敗。
俺ってちょっとワイルドだぜえ。



ほどなくして盗難に遭ったと思しき狩人に出会った。

「もしかして探してるのってこれ?」

不埒な奴からガメといた魔法の盾を見せると、大喜びでその通りだと頷いた。
狩人は俺に幾許かの金貨を握らせると、喜び勇んで帰って行った。
【2012/09/04 22:55 】 | 伝承の旅 | 有り難いご意見(0)
013 鍛冶入門


リバーウッドの住人は本当に良い人たちばかりだ。

ある日、俺は鍛冶屋のアルヴォアから鍛冶のイロハを教えてもらうことができた。



トントンカンカン



「おう、鉄のダガーができたか。じゃあ、今度は皮なめしをやってみな。」



野原で倒した狼の毛皮をなめしてみた。



なめした革を細工して・・・おお!皮の兜の完成だぜ。

アルヴォアからは、記念にダガーと兜をプレゼントしてもらった。
うれしい・・・けど、俺魔法使い系だから正直いらないや。
後でこっそり、お金に換金しとこう。



お礼と言っちゃ何だが、駄々をこねてアルヴォアを困らせていた娘さんのドルテの遊び相手を務めることにした。

「何して遊ぶ?」
「鬼ごっこ!」



「キャハハハーーー!」
「待て待てー!」



「ほーら、捕まえた♪」
「今度はおじさんが逃げる番よ!」
「おじさんって・・・。」

その日は、日が暮れるまでドルテと遊んだ。
【2012/09/04 22:25 】 | 伝承の旅 | 有り難いご意見(0)
012 錬金術入門


息抜きにと出かけた宿屋兼居酒屋『スリーピング・ジャイアント』で、俺は思いがけず錬金術の面白さに目覚めることになった。

カウンターにいつもいる頑固親父のオーグナーとちょっとしたことで仲良くなり、気軽に話せるようになった。
ある日、上機嫌のオーグナーが俺に錬金術の魅力を語ったついでに、レシピの一つを教えてくれた。

「ボウズ知ってるか?小麦とブリスターワートを混ぜると、体力治癒の薬ができるんだぜ。」

そして、『やってみろよ』と言わんばかりに材料を俺に放り投げ、部屋の片隅にある錬金術の作業台を顎でしゃくってみせた。



ゴリゴリゴリ。

据付のすり鉢とすりこ木で粉末にして、水に溶かして蒸留して・・・。

おおお!本当に薬ができた。
店で買わなくても野生の植物を採取すれば工夫次第で、様々な効能の薬や毒を作れるらしい。



それ以降、俺はリバーウッドの周りを散策しては、草花やキノコを積むのに夢中になった。



あ、蟻の行列だ。

そう言えば、こうやって地面をまじまじと眺めることなんて、これまでなかったなあ。

研究室や図書館に篭っているよりも、よっぽど生きた知識が吸収できて楽しい。

やっぱりスカイリムに来たのは、間違ってなかった。うんうん。
【2012/09/04 22:08 】 | 伝承の旅 | 有り難いご意見(0)
011 嵐の前1


「姉貴は旦那と製材所を経営しているんだ。おーい!姉貴~!」



「おっ、いたいた。姉貴~!」



「あれ、レイロフ!無事だったのね。ちょっと心配してたのよ。何でもウルフリックが捕まったなんて噂を聞いたもんだから。」
「ああ、それ本当だぜ。2日前のことさ。」
「マジ!?ちょっとあんた大丈夫なの?」
「ああ・・・何とかな。こっちにいるカイトの手助けもあって、命拾いした。」



「カイト・・・さん?初めまして。レイロフの姉のジャルデュルです。」
「あ、ども。」
「弟の命を救ってくれたそうね。感謝するわ。」
「あ、いや。助けてもらったのはこっちの方っていうか。お互い様なんです。」



「レイロフおじさ~ん!帰ってきてたんだね!」
「よう!元気にしてたか?」
「うん。それよりまた帝国の奴らをギャフンって言わせたんだろ。いっぱい話を聞かせてよ。」
「ああ、後でな。頼みがあるんだが、その帝国の奴らがこっちに近づいてこないか、あっちで見張っててくれないか?」
「ちぇっ。分かったよ。どうせ、俺抜きで大事な話をするんだろ?大人ってズリぃよなあ。」

少年は悪態をつきながらも、レイロフに言われた通り、表通りで周囲の監視を始めてくれた。



ジャルデュルの夫も加わって、4人になったところで、レイロフがヘルゲンでの事を切り出した。

「何ですって!ドラゴン!?とてもじゃないけど、信じられないわ!」
「俺だって目撃者じゃなけりゃ、そう言いたいところだけどさ。しかし事実なんだよ。な、カイト?」
「うん。確かに俺も見た。あれは幻覚とか詐欺の類じゃない。本当に実在してた。大勢の死人も出たし・・。」
「どうやら本当の話のようね。となると、少々まずいわね。」
「まずいって何が?」
「ドラゴンよ!見ての通り、この村にはドラゴンから村を守る城壁も何にもない。ドラゴンが襲ってきたら、ひとたまりもないわ。」
「じゃあ、どうする?」
「・・・そうねぇ。ああ、そうだ!ホワイトランに行って、首長に話が伝われば守護兵を寄越してくれるかもしれないわね。あなた達、伝令をお願いできないかしら?」
「よし、分かった。俺達に任せてくれ。いいだろ、カイト?」
「ああ、もちろん。」
「ありがとう。うれしいわぁ。とりあえず私の家に来て頂戴。好きなだけ滞在してくれて構わないわ。ある物は自由に何でも使って。」



「こっちだ。」

旦那さんに案内されて、俺はジャルデュルの家にやって来た。
しばらくここで英気を養うことにしよう。



お、料理鍋だ。
ただ居候するだけなのも申し訳ないし、なんか料理でも作るかな。



「お、カイト。料理なんてできんのかよ!?」
「ま、上手かどうかは別にして、だけどね。」
「いやあ、大したもんだぜ。」

その日の晩は、俺が作ったキジのローストと野菜スープを皆で食べた。
ヘルゲン砦で帝国軍の食材をパクッてきたんだけど、早速役立って良かった。
【2012/08/29 23:00 】 | 伝承の旅 | 有り難いご意見(0)
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