息抜きにと出かけた宿屋兼居酒屋『スリーピング・ジャイアント』で、俺は思いがけず錬金術の面白さに目覚めることになった。
カウンターにいつもいる頑固親父のオーグナーとちょっとしたことで仲良くなり、気軽に話せるようになった。
ある日、上機嫌のオーグナーが俺に錬金術の魅力を語ったついでに、レシピの一つを教えてくれた。
「ボウズ知ってるか?小麦とブリスターワートを混ぜると、体力治癒の薬ができるんだぜ。」
そして、『やってみろよ』と言わんばかりに材料を俺に放り投げ、部屋の片隅にある錬金術の作業台を顎でしゃくってみせた。
ゴリゴリゴリ。
据付のすり鉢とすりこ木で粉末にして、水に溶かして蒸留して・・・。
おおお!本当に薬ができた。

店で買わなくても野生の植物を採取すれば工夫次第で、様々な効能の薬や毒を作れるらしい。
それ以降、俺はリバーウッドの周りを散策しては、草花やキノコを積むのに夢中になった。
あ、蟻の行列だ。
そう言えば、こうやって地面をまじまじと眺めることなんて、これまでなかったなあ。
研究室や図書館に篭っているよりも、よっぽど生きた知識が吸収できて楽しい。
やっぱりスカイリムに来たのは、間違ってなかった。うんうん。
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