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【2025/03/10 17:50 】 |
020 金の爪4


その後もドラウグルとの戦闘は続いた。

知能は案外低いらしく、特攻してくるしかないと見て取った先輩が、床一面に油を撒き、そこに火矢を射掛けて、ドラウグルを一網打尽にした。

「すごい・・先輩。」
「ふふふ。これでも一応腕には自信があるの。」




「また妙な扉が現れましたね。」
「押しても引いてもビクともしないわ。」
「なんか、この鍵穴って、金の爪がぴったり嵌りそうじゃないですか?」
「本当だ。やってみて。」
「はい!」

・・・・

「ビクともしません。間違ってたのかな?」
「待って!金の爪の手のひらを見てみて。なんか絵が彫ってない?」
「本当だ。」
「もしかして、この絵の並びにしろってことじゃないかな?」
「先輩、冴えてる!」




「やった!開きましたよ。」
「お宝はすぐそこね。急ぎましょう。」



「まあ、何て綺麗なの・・。」

俺と先輩は、しばらくの間、遺跡の奥の素晴らしい光景に見とれて声も出なかった。



「何だろう?この文字・・・。」
「古代ノルド語かな・・?ええと・・揺ぎ無き力・・・」
「読めるの!?」
「少しは。図書館通いしてたのは、伊達じゃないですよ。」
「・・・ちょっと見直したわ。」
「へへっ。」



「カイト君!これは何かしら?」
「地図・・ですかね?」
「本当だ。このスカイリムを表してるんだわ!」
「一体、このバツ印は何でしょう?」
「いくつもあるようね。・・・全然検討もつかないわ。とりあえず戦利品として持ち帰りましょう。」




「よぉ!よく戻ったな。」
「金の爪を取り返しましたよ。」
「本当か!やっぱりお前は俺が見込んだ通りの男だ。さっそく・・・」
「大事に保管するんですね?」



「いや、カウンターに飾るんだが・・・何か?」
「あ、いや、お二人がそれで良いんなら・・。」

また盗られても知らないよ、と。
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【2012/09/17 00:41 】 | 伝承の旅 | 有り難いご意見(0)
019 金の爪3
謎の依頼者モイラの手による無頼漢達の襲撃を一通り撃退したところで、俺と先輩は再びブリークフォール墓地の探索を再開した。

入口周辺に屯していた山賊達の所持品からは、残念ながら目当ての『金の爪』は発見できていない。

もっと奥に潜ってみる必要ありだろうが・・。



ん?先客か?
奥のレバーに向かっているようだけど・・・なんだかキナ臭いぞ、あれ。



男がレバーを引いた途端、四方八方から矢が飛来して、男は一瞬で絶命した。
遺跡に罠は付き物だろうに・・・。



「先輩はどう思います?」
「どうもこうも、やっぱりあれが鍵じゃない?」



先輩は階上に鎮座してあるレリーフと、眼前にあるレリーフを顎でしゃくって示してみせた。

「やっぱりそうですよね。」
「おそらく目の前のレリーフは、階上の中央にあったものが崩れ落ちたものと考えるべきでしょうね。」
「同感です。」



「そうなると問題はこちらよね?」
「ええ。おそらく彫像とレリーフに何らかの因果関係がありそうですけど。」
「とりあえず調べてみましょ。」

俺と先輩は手分けして、階下にある3つの彫像を調べてみた。

「蛇と魚と鷲の絵が彫られていますね。」
「こっちのもそうよ。それにカイトくん、どうやらこれって回転するみたいね。」
「うわ、本当だ。」

少し重いが、人間ひとりの手で彫像を回転させることができた。
足元の枠に三角のマークがあるが、もしかしてここに絵を合わせろ、ということだろうか?

「とりあえず上のと同じ並びにしてみる?」
「それしか思い付きませんね。」



俺は階下の彫像の絵の並びを階上のものと合わせた後に、おっかなびっくりレバーを引いてみた。
ただしレバーを引いた直後に、咄嗟に地に伏せた上、男の死体を盾にする念の入れようだったが。

「・・・カイトくん?上手くいったみたいよ。」
少し呆れたような先輩の声を耳にして、先を見てみると、確かに扉は開いていた。

「とりあえず先に進みましょー!」
恥ずかしさを吹き飛ばすように、俺は若干、大声を出して前進した。



「カイトくん!蜘蛛よ!」
「蜘蛛?俺は蜘蛛なんてへっちゃら・・」
「よく前を見て!大蜘蛛よ!人の倍以上の大きさがあるわ!」
「うわわわわわ。」

慌てて俺は電撃を放ち、先輩は矢を連射した。
大蜘蛛は我々を捕食しようと迫ってきたが、こちらも常に距離を取りつつ応戦した。

勝負は意外とあっけなくついた。
「余裕でしたね。」
「ふふふ。その割りには、最初、結構ビビッてたみたいだけど?」
「もういじめないで下さいよ~。単に生理的嫌悪から声が出ただけですって。」
「ふふふ。そういうことにしといてあげる。」



「おーい!そこのお二人さん。痴話喧嘩はそのぐらいにして、こっちを助けてくれないか?」



声のした方をみやると、一人の男が蜘蛛の糸で雁字搦めにされているのが見えた。



「助けてくれよ。動けなくて困ってるんだ。」
「ちょっと待ってて。」

俺は電撃を蜘蛛の糸目掛けて放った。
「あちちち。焦げてる、焦げてるって!」
「ちょっとぐらい我慢してて!もうすぐだから。」



男を蜘蛛の糸から解放した途端、急に彼は逃げ始めた。
「ひゃっほーい!」



「財宝は俺一人のもんだ。他の奴らに渡すもんかー。」
「・・・助けてもらった礼も言わずにあんなこと言ってますけど、どうします?」
「・・・とりあえず追いましょう。」




男はけたたましい騒音を立てながら、爆走していく。
俺達も負けじと彼の後に続いた。

ぐおっ!

突然、篭ったような変な声がした。

ぎゃー!

間髪入れず、男の悲鳴が響き渡った。

「見て、カイトくん。ドラウグルよ。」
「ドラウグルって、遺跡にいるっていう動く死体の事ですか!?」
「キラキラした目で言わないで!」
「そんなこと言われても、文献で見ただけですし。」
「研究の事を考える前に、まず自分の身の安全を考えなさい!」



「うわわ。なんだか強そうですよ。」
「だからさっきから言ってるでしょ。」
「だって体もぼろぼろで、殺傷能力低いとか本に書いてたから。」
「そんな当てにならない本を読むのは止めなさい。」



おりゃー!



でえええい!



頼むから、くたばってー!
ゼイゼイ・・・。

「やるじゃない、カイトくん。」
「そりゃ、もう必死でしたから。魔力が尽きかけましたけど。」




「先輩、これ・・。」

ふと足元で絶命している先程の男を見ると、懐から黄金らしきものが覘いているのが見えた。

「なんだか・・獣の爪みたいね。」
「金でできてるし・・。先輩、もしかしてこれが『金の爪』じゃあ・・!?」
「カイトくん・・どうやらビンゴよ。彼の日記にもそう書いてるわ。」
「あれ?どうやらこれ、何か別の秘宝の鍵みたいですよ。」
「本当だ・・。『答えは手のひらにある。』だって。」
【2012/09/17 00:05 】 | 伝承の旅 | 有り難いご意見(0)
018 金の爪2


「あんた、カイトさん?」
「え、ええ、そうですけど。」
「はっはー!覚悟しな!」

リバーウッドで回収した山賊の品を、一度整理しようと村に戻った俺と先輩は、突然男達の襲撃を受けた。
咄嗟に俺は電撃を放った。



一体、何なんだよ!

うぎゃああああああ!



「モイラ?・・・誰だ、一体?」

襲撃者の懐を探ってみると、モイラという名の人物から俺を襲撃しろとの依頼状だった。
どうやら多額の報酬を支払っているようで、かなり本気のようだ。


知らない間に、モイラという人物の恨みでも買っていたのだろうか?



それからしばらくの間、次から次へと襲ってくるゴロツキに悩まされることになった。
勘弁してくれよ~。
【2012/09/08 22:06 】 | 伝承の旅 | 有り難いご意見(0)
017 金の爪1


「先日は妹のカミラの為にいろいろと骨を折ってくれたそうだな。感謝するよ。」
「いや、大したことはしてないですよ。」
「実はお前さんの誠実さを見込んで頼みがあるんだ。」
「何です?」



「兄さん!まさかカイトさんやハルカさんに例のことを頼むつもり?」
「いいじゃないか。二人とも荒事には慣れてそうだし、人柄は信用できるし、うってつけだと思うがな。」
「じゃあ、私から頼むわ。兄さんは口が達者だから、二人を丸め込んでタダ働きさせそうだから。」
「おいおい、信用ねえなあ。」
「お二人さん、ちょっと表に出てくれないかしら?」



「あそこに山が見えるでしょう。」
「ああ。」
「あの山のてっぺんに古代ノルド人の墓地があるの。」
「知ってる。レイロフから聞いた。」
「今は山賊共が棲家にしているわ。」
「それは知らなかった。」
「タチの悪いことに、奴らの一人がね、我が家に押し入って、『金の爪』を盗んでいったの。」
「え、何だって?」
「金の爪よ。き・ん・の・つ・め。」
「へえ~、装飾品?」
「まあね。旅の行商人から兄さんが買ったの。」



「それを取り返せばいいわけ?」
「単刀直入に言えばそうよ。でも山賊が相手だから、危険は避けられないわ。」
「俺、荒事が得意ってわけじゃないけど、まあ先輩が同行してくれれば・・・。」
「私はOKよ。」
「じゃ、引き受けます。」



「お礼は弾むつもりだけど、危なくなったら逃げてね。命あっての物種だから。」
「まあ、善処するよ。」



俺と先輩は、ブリークフォール墓地を目指して山登りを始めた。
途中から地面に白い物が混じり始め、しばらく進むと一面の雪景色になった。

「先輩。寒くありませんか?・・・って、せ、せんぱい!」
「なに?カイト君?」
「い、いや。いつの間にそんな格好に!?」
「歩きながら着替えたのよ。ドキドキしたわあ、いつカイト君が振り向くか分からなかったし。」
「いや、それも変だけど、第一その格好が!」
「へん?戦闘服なんだけど?」
「っていうか胸!胸!」
「あらあ、赤くなっちゃって!うれしいくせに。」
「そんなことないです!」
「まーたまた!照れちゃって!なんなら中、見てみる?うふっ。」





「カイト君!カイト君ったら!」
「へ?」
「何ブツブツ言ってるの?着いたわよ、墓地に。」
「う、うわ。妄想か、またやっちゃった。」
「やっちゃった?」
「いや、何でも。・・・ってあれ?先輩その格好は?」
「さっき言ったでしょ。途中で着替えたのよ。」
「・・・・。」

あれ?
どこからどこまでが妄想なんだ??



「カイト君!人が死んでるわ。」
「ええ。山賊のようですね。仲間割れでもしたんでしょうか?」
「しっ。奥のほうから声が聞こえるわよ。」



「・・・二人だけのようですね。」
「隙を突けば、簡単に制圧できそうだわ。もっと近づきましょう。」



「隙あり!不意打ち御免!!」



「やりましたよ。上手くいきました!・・・って先輩?」
「どうかした、カイト君?」
「なんか・・さっきよりセクシーになってません?」
「あらあ、こんな所で私を口説くつもり?」
「い、いや、ありのままを言ったまでで。」
「それを口説いてるって言うのよ。素直が一番効果的なのよ。」
「そんな!俺そんなつもりで言ったわけじゃ!」
「じゃあ・・どういうつもりだったの??ふふふ。」
「ああ!先輩!止めて、そ、そこは!・・・ああ!」




「カイト君!カイト君ったら!」
「は、え?あれ、いつの間に村に戻って・・・?」
「今日はおかしいわよ、すぐボーッっとして。調子悪いの?」
「いや、そんなことはないです。それより、どうしてここに?」
「山賊の略奪品を回収してたら、荷物がいっぱいになったから、一度村へ戻ろうって言ったじゃない!忘れちゃったの?」
【2012/09/08 21:59 】 | 伝承の旅 | 有り難いご意見(0)
016 すてきな手紙


先輩の家に向かう途中、ジャルデュルの製材所で働くファエンダルが俺を呼び止めた。

「ちょっと兄ちゃん、頼まれてくれねーか。」
「何です?」
「この町一番の美人カミラに、ちょっと前から軽薄な吟遊詩人野郎が言い寄ってやがるんだ。愛だの恋だの、スヴェンの奴め、スカした言葉を並べ立てやがって!」
「別にいいんじゃないですか?」
「ちっとも良くねーよ!中身のないちゃらちゃらした男にカミラが騙されたら可哀想じゃねーか!」
「はあ・・・・で、どうして欲しいんです?」
「おう。この手紙をな、カミラに渡して欲しいんだよ。ただし、『スヴェンから』と言ってな。頼んだぜ!」



ファエンダルは俺に手紙を託すと、意気揚々として去って行った。

「これって“嫉妬”ってやつですよね、間違いなく。」
「ええ。どうやらファエンダルさんは、カミラさんが好きなようね。」
「しかもスヴェンって人も絡んでて、完璧に三角関係のようですね。」
「それで手紙の内容は・・・」
「えっ、見ちゃうんですか?」
「だって嘘を付くように頼まれたのよ。嫌じゃない?」
「まあ、そうですけど。」
「だったら、中身を見た上でどうするか決めましょうよ。」

そう言うが早いか、先輩は手紙の封をきれいに外して、中身を読み始めた。



「うわっ!これって・・・。」
「ひっどい内容よね~。こんなの読まされた日には、不愉快になって当然よ。送り主のこと、嫌いになるでしょうね。」
「やっぱりそうですよね~。俺もそう思います。」
「で、カイト君は誰の味方?」
「・・・正義です。」



「カミラさんですか?」
「あら、どちらさま?」
「郵便をお届けに参りました。」
「あら、ご苦労さま。」
「ファエンダルさんからなのですが、スヴェンさんからの手紙だと言う様に言付かっております。」
「え?どういうこと?」

首を傾げつつ、カミラは手紙に目を通し始めた。・・・と、みるみる彼女の顔が紅潮していくのが分かった。

「真実を教えてくれてありがとう。ファエンダルがこんなことをするなんて!彼とは二度と会わないわ。」
「まあ、そうなるでしょうね~。」
「あと、この事をスヴェンにも伝えてあげて。きっと彼は喜ぶわ。」

あーあ、ファエンダルにしてみれば、完全に逆効果になっちゃったな~。
(ま、俺が原因を作ったんだけど。)



「ありがとう!そういう話を待ってたんだ!ちょうど宿屋での稼ぎが良くて、今懐が潤ってるんだ。謝礼をもらってくれよ。」



「・・どうだった、正義の味方さん?」
「どうもこうも、俺は信じる道を進むのみですから。」
「ふふ、ちょっとだけ格好いいぞ!」

先輩は軽く俺の頭をこづくと、足取り軽く家の中へと入っていった。
【2012/09/06 23:27 】 | 伝承の旅 | 有り難いご意見(0)
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