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【2024/05/16 07:56 】 |
025 遅くなった埋葬1


「せんぱーい!」
「ん~?」
「向こうの方で荷馬車が立ち往生してるみたいですよ。」
「困ってるかもしれないわね。行ってみましょう。」



あーあー。車輪が外れてるよ。
これじゃ動けないだろうな・・・って何、アレ?道化師?



「おー!いい所に来てくれた。シセロはとても困ってる。」
(うわ、変な奴に絡んじゃったみたい。)



「何です?このデカイ荷物は?」
「無礼者!シセロは怒るぞ。さっさとそこから下りろ!そこには母親の棺桶が入ってる。」
「ええっ。それは失礼。」
「全く・・・それより近くに住んでいるロレイウスの所に行って、馬車を直すよう説得してくれ。そうすればシセロは金貨をやろう。ピカピカの金貨だ。」
「何故、自分で行かないの?」
「行ったさ!もう5回も!しかしロレイウスの奴め、全然取り合おうとしない。」
「分かった。ちょっと行ってみるよ。」
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【2012/10/12 22:41 】 | 伝承の旅 | 有り難いご意見(0)
024 嵐の前2


「悪いが城門を開けることはできない。」
「どうして?」
「大きな声では言えんが、ドラゴン襲来の噂があちこちで飛び交っててな。無責任な風聞に踊らされた市民が暴徒化せぬように一時的な厳戒態勢が敷かれている。」
「その噂の元凶のヘルゲンに俺が居合わせたと言ったら?」
「なに・・・?」

衛兵は真っ直ぐに俺の眼を見た。
俺もまた視線を逸らすことなく、衛兵を見返した。

しばらくした後、衛兵は肩をすくめて言った。
「どうやら嘘を付いている訳じゃなさそうだ。通してやるよ。」
「いいの?」
「四の五の言わず、俺の気が変わる前にさっさと通れ!ただし中で変なことしやがったら、真っ先に俺がお前の首を刎ねてやるからな。」



「ここがホワイトランかあ。」

緊迫した空気が漂っているのは否めないが、それでも町の賑わいはリバーウッドの比ではない。通りを忙しそうに人々が行き交い、広場では露店が軒を並べて道行く人々に声をかけている。

「そうよ。ここはスカイリムの中心。文化も交易も人々の交流もここを抜きにしては語れないわ。現首長のバルグルーフは、内戦に関しては中立の立場を貫いているわ。曖昧な態度を取る彼を不満に思う人は多いけど、今の厳しい状況下で断固として中立を貫き続ける彼を私は立派だと思うけどね。」



ともかく俺達は小高い丘の上にあるドラゴンズリーチヘと向かった。
ドラゴンズリーチという名称は、その昔ホワイトランの首長であり、上級王にもなった『隻眼のオラフ』が捕らえたドラゴンをここで繋いでいたことに由来するという。



ジャルデュルから頼まれていたので、リバーウッドの防衛要請をしに、俺は首長への謁見を願い出た。



「ほう、ヘルゲンでドラゴンを見たと。それは確かか?」
「ええ。帝国軍に首を斬られそうになっていたところを、奴の襲撃があったおかげで助かりました。」
「・・・・なんとまあ、そんな事情まで赤裸々に明かすとは、豪胆なことよ。」
「嘘を交えたり、隠し事をしては、閣下に信用して頂けないと思いまして。」
「そうか。他には何か変わったことはなかったか?」
「ウルフリック=ストームクロークが同様に囚われていました。」
「やはりあいつが関わっていたか。色々と世間を騒がす奴だ。お前はあいつのことをどう思う?」
「信頼に値する誠実な人とお見受けしました。」
「確かにあいつは古きノルドの考えを引継ぎ、大事にしておる。世の半数は彼に喝采を送るだろう。だが・・・。」
「?」
「分かった。とにかくリバーウッドを防衛する兵を送ろう。安心するが良い。」
「ありがとうございます。」



「お前に頼みがある。」
「何でしょう?」
「我が宮廷魔術師と話をしてもらいたい。ドラゴンの研究に余念がなくてな。実際に見たというお前の話を喜んで聞くだろう。」

俺はバルグルーフ首長の願いを聞いて、宮廷魔術師ファレンガーと数日間話し込んだ。大抵は一方的なファレンガーの質問に答えているだけだったが、先日ブリーク・フォール墓地で拾った奇妙な石版を見せると、今度はそちらに夢中になり、ようやく俺は解放された。

何でもドラゴンの埋葬地が記されているらしいが、俺には重たいだけの代物だったので、なくなって清清したぐらいだ。石板にしても必要としてくれる人の傍にあった方が嬉しいだろう。
【2012/10/06 21:35 】 | 伝承の旅 | 有り難いご意見(0)
023 ハルディールの石塚


おや、こんな所に洞窟があるぞ。



すごい。うじゃうじゃキノコが生えてる。



!?



生命エネルギーが吸い取られている??





今日も野山を駆け巡っているとファルクリースの南西で洞窟を発見。

中にある色とりどりのキノコの採取に夢中になって、どんどん奥へ入っていくと、激しい音と共に、青白い閃光が立ち上がっている光景に出くわした。閃光の周辺には夥しい死体があった。

近くに転がっていた日記を読むと、引き寄せられるように集まってきた犠牲者達は、ここで不思議な声によって魅了され、生命エネルギーをハルディールとやらに捧げているらしい。



洞窟の探索を続けると、亡霊が次から次へと襲ってきた。



全く冗談じゃねーっつーの!



洞窟の最奥には、ハルディールがいて、これがまたかなり強い。
俺は回復魔法を使いつつ逃げまくり、専ら戦闘をハルカ先輩に任せた。



ま、先輩の手にかかれば、ちょちょいのちょいでしたが・・。
ただ俺もそろそろより上級の魔法を覚えないと、駄目かなあ。



ハルディールの宝を漁っていると、不思議な物が出てきた。
そしてそれを手に取った瞬間、頭の中に響いてきた声があった。

『私はメリディア。今手にしている物を私の元まで運びなさい。愚かしくも、わが祭壇を荒らしている者達がいます。彼らを一掃すれば、私の使途として任命してあげましょう。』





無視。
【2012/10/03 00:40 】 | 伝承の旅 | 有り難いご意見(0)
022 宝の地図Ⅳ


とある日、『レドラン家の隠居所』と呼ばれる洞窟で山賊を撃退した俺達は、彼らの溜め込んだ財宝の中から妙な紙切れを発見した。

「これって・・・地図ですよねえ?」
「バッテンが描かれているけど、ここに何かあるのかしら?」
「宝の地図ってやつでしょうか。」
「かもしれないわね。こいつら長年ここ一帯を荒らしまわっていた割には、この洞窟内に目ぼしい物は少なかったもの。ある程度、価値のある物は別の場所に隠してあると見て、間違いないでしょ。」
「放って置く手はないですね。」
「そうね。お宝は有効活用してナンボ、地図の所有者たる私達がその権利を最も有しているのよ。」
「ちょっと強引過ぎる気もしますけど。」



「あ~、やっぱりここよ。ね、この地図の上の方を見て。集落らしき絵があるでしょう。」
「確かに。ここって?」
「ホワイトランよ。目の前に見えるのもそう。」
「へえ~ここが・・。」

ホワイトランと言えば、スカイリム地方の地理的中心である。平坦な地形で、スカイリム各地へ続く街道が整備されている。交通、商業、軍事・・いろんな意味での要衝と言えよう。



「でね、そのホワイトランの南方にあるペラジア農園がこの地図の示す起点だと思うわけ。」
「確かに地図上の集落の形は、ホワイトランそっくりですね。そしてホワイトランと農園の位置関係も絶妙だ。」
「でしょ。スカイリム中をあちこち旅して回った甲斐があったわあ。」
「ちょっと風車の向こう側に行ってみましょう。」



「完全にビンゴですよ!地図の下側の絵と、目の前の風景が完全にダブリますもん。」
「お宝は・・・あの山の中腹にあるわけね。」
「もう一歩ですね。」



「あった!アレだ!先輩、きっとアレですよ!!」
「落ち着いて、カイト君。宝は逃げやしないわ。」

ドキドキ



「おおおーー!」
「上質のガーネットですよ。」
「全くの傷なしね。高く売れそうだわ。」
「細工の施されたサークレットもあります。」
「こりゃあ、久々の豊作よ。癖になりそうね。」
【2012/09/30 01:52 】 | 伝承の旅 | 有り難いご意見(0)
021 モス・マザー洞窟


俺はここ数日というもの、錬金術に役立つ材料集めに夢中になって、野山を駆け回っていた。
今日も材料収集に精を出してた時、とある洞窟の前で血を流して蹲っている男から声をかけられた。

「おお、人だ!頼む、こっちに来て助けてくれ!」
「どうしたんですか?」
「スプリガンだよ、奴らにやられた。」
「え?あの木の精霊に!?」

文献によれば、スプリガンというのは、自然を守ろうとする人型の精霊だったはずだ。自然を破壊しようとする人間を見るとすぐに襲い掛かってくるので用心が必要らしい。毒の爪や攻撃魔法など、自身の攻撃力も優れているが、動物をけしかけて来る事もあるとか。

「そうだ。この洞窟の中に3体もいやがる。」
「とりあえず出血を止めないと。」



俺は彼に回復の薬を分けてやった。

「ありがとう、青年。俺はヴァルドルって言うんだ。よろしくな。」
「カイトです。」
「ハルカよ。」



「助けてもらっておいてすまないが、俺はまたこの洞窟の中に戻らないといけない。」
「え?どうして!?」
「中にスプリガンがいるんでしょう?死にに行くようなもんです!」
「しかし、仲間2人がまだ中にいるんだ。もう殺されているかもしれないが、せめて仇は取ってやりたい。」
「・・・。」
「どうする?カイトくん?」
「どうもこうも、この人を放ってはおけないですよね?寝覚めも悪くなりそうだし。」
「ふふふ、そう来なくちゃ!大丈夫、私が守ってあげるわ。」
「ええ、期待してます。」



洞窟内に入った俺達の目にまず飛び込んできたのは、全裸の女性の遺体だった。

「ああ、アリ!アリ!何てことだ。」
「酷い・・・。散々嬲られた挙句に殺されている。」
「これが・・・本当に精霊のやることなの・・・歪んでる。」
「くそう!ぶっ殺してやる!精霊だろうと関係ねえ。」
「落ち着いて!無闇に戦いを挑んでも、返り討ちに遭うだけよ。」
「そうです!それにもう1人仲間がいるんでしょう。今死んだら誰がその人を助けるんです!?」
「・・・・そうだな、すまない。」



俺達は、冷静さを取り戻したヴァルドルと共に作戦を練った。
スプリガンの一体が、突如襲ってきたが、作戦通り3人の連携が上手くいって、何とか撃退した。



「強敵でしたね。相手が1匹だけで良かった。」
「気を抜かないでね。あと2匹もいるんだから。」
「そう言えば、ヴァルドルさん達は、何故この洞窟に入ったんです?」
「ああ、そりゃこの洞窟に熊がいるからだよ。奴らの毛皮は高く売れるんだ。」

「へ?」
「ちょっと待て~い!」



「ガオー!」




・・一気に血の気が引いたよ。

確かに分厚い熊の毛皮は、ここスカイリムでは寒冷地ゆえ重宝される。
ただし熊は文献を持ち出すまでも無く、攻撃的で、耐久性にも敏捷性にも優れており、未熟な狩人や冒険者は命を落としかねない動物として知られている。

早く言ってよー!



「あれ?残りのスプリガンは、どうやら熊にやられたようですよ。」
「え?まじで?」
「ヴァルドルさん達は・・スプリガンよりも強い熊を狩ろうとしてた訳ですね。」
「・・・おいおい、命がいくつあっても足りねーぞ。」



「ああ、ニールス。・・・やはり死んでいたか。」

洞窟の最奥で、無念にも絶命している男性の姿を見て、ヴァルドルは肩を落とした。



「世話になったな、カイト!ハルカ!」
「どうしたんです、急に池に飛び込んで。」
「清めだよ、死者を弔う前に体に染み付いた血を洗い流しているんだ。」
「手伝いましょうか。」
「ありがとう。だが一人でやらせてくれ。」

そう言って、ヴァルドルは仲間の弔いを始め、俺たちは彼に別れを告げた。
【2012/09/22 23:13 】 | 伝承の旅 | 有り難いご意見(0)
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