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【2025/04/29 22:13 】 |
167 静寂は破られた2


「仔細は書状に書いてある。必ず長に渡してくれ。それから報酬は後ほど相談ということになるが、いろいろと準備に物入りだろうし、保証も兼ねてこの首飾りを渡そう。レクサス!」
「はっ。」

レクサスと呼ばれた帝国兵風の男が、拙僧の前に進み出て、いかにも高級そうな首飾りと書状を拙僧に渡した。

「ではよろしく頼む。」
「こちらこそ。」
そういうと、拙僧はヴォルンルードを後にした。

ああ、まだ胸がドキドキする。



拙僧は聖域へと帰り、書状と首飾りをアストリッドに渡した。
しばらく書状に目を通していた彼女だったが、ほどなくして顔を紅潮させて言った。

「なんですって!帝国皇帝の暗殺!?すごいじゃない。」
「夜母の選別は正しかったようだな。」
「ええ、どうやらそのようね。」
「どうする?この依頼、受けるか?」
「もちろんよ。我々一党の権威を高める絶好の機会を見逃す手はないわ。でももう少し情報が必要ね。」
「ん?」
「この首飾りをリフテンのラットウエイにいるデルビンという男に見せて頂戴。そして価値を調べてもらって欲しいの。もし彼が欲しがるなら、売って構わないわ。」

はあ・・デルビンね。



「お頭。ご無沙汰だと思ってたら、闇の一党に入ってたのかよ。相変わらず手広くやってるなあ。」
「作者と一緒で広く浅くがモットーでね。飽きやすい性格なのに、このブログがまだ続いてるのが不思議なくらいさ。」
「は?」
「・・・おっと、脱線しちまったな。で、どうだい?この首飾りの価値は?」
「こいつはとんでもねえ代物だぜ。」
「ほう。」
「こいつは帝国代議員にのみ身につけることを許された首飾りさ。金にすりゃ、一財産は築けるな。」
「よし、決まりだ。そいつは我々盗賊ギルドの物にしよう。」
「おいおい、大丈夫かよ、お頭。ギルドの金の大半を費やすことになるぜ。」
「また稼げばいいさ。有望な新人は続々と育ってるようだし、お前達幹部も健在だ。なんとでもなるだろう。」



「分かった。じゃあ信用状を書くから、アストリッドに渡してくれ。彼女によろしくな。」



「へえ。あの首飾りは帝国の代議員の物だったの。ふふふ、依頼人ったらイケナイ子ね。自分の主人殺しを計画するなんて。」
「金も潤ったことだし、さっそく準備にかかるとしようか。」
「ええ、そうね。まずはソリチュードで催される結婚式で花嫁を殺して頂戴。」
「花嫁を?彼女と皇帝に何か繋がりがあるのか?」
「ええ。彼女は皇帝の従姉妹よ。そして花婿はストームクロークに繋がりのある男よ。戦争は終結したけど、まだまだ各地で小規模な反乱が頻発してる。だからこの結婚は平和と友好の架け橋になるはずなの。」
「それをぶち壊すわけか。」
「手段は任せるけど、なるべくこの暗殺が世間の注目が集まるようにやってもらえると、尚良いわね。」
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【2012/07/21 10:29 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
166 静寂は破られた1


「決めたわ。あなたには夜母の言葉通り、ヴォルンルードへ行ってもらう。」
「拙僧の言う事を信用するのか?」
「正直あなたが本当に『聞こえし者』かどうかは分からない。でもあなたの人柄なら信頼してるわ。」



かくして拙僧はアストリッドの許可を得て、夜母のお告げに従い、ヴォルンルードへとやってきた。



遺跡の中に、血だらけの扉があるが、もしや依頼者はこの中か?



「ごめんくださ~い。闇の一党の者ですが。」
「おお!本当に来たな。待っていたぞ。」
「あんたが依頼者か?」
「いかにもそうだ。あの忌々しい黒き聖餐をやったかいがあったな。」
「早速、ビジネスの話に移ろうじゃないか。」
「ああ、そうだな。まず私が依頼する仕事は、とてつもない大仕事になると断っておこう。」
「どんな仕事が来たって、驚かないさ。」
「そうか。いろいろとプロセスを踏んでいく事になるが、最終目的は皇帝の命だ。」
「ええっ!」
【2012/07/20 22:18 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
165 暗殺任務2


ハーフムーン工場で働いている吸血鬼ハーンは1人でいる所を堂々と斬られた。
「衛兵!」と叫んでみたものの、直前にドラゴンとの戦いで衛兵が皆倒されていた為、駆けつける者は誰もいない。
絶叫虚しく、拙僧の手にかかった。

情報では彼には妻がいるとのコトだったが、たまたま外出中だったらしい。
無用の殺生をせずに済んで、拙僧としても助かった。



2人目の標的はモーサルの宿屋に住み着いている吟遊詩人ルーブクだ。
彼の音痴ぶりは凄まじく、それを恨みに思い、暗殺を依頼してきた者が複数いたらしい。



ひとしきり歌った後、ルーブクは自室に引っ込んで喉を休ませていた。
予め物陰に潜んでいた拙僧が、こっそり刀剣を構えていることなど夢にも思うまい。



ぐえ



どさり



「いやはや大したもんだ。あんたの手際の良さには感心させられるよ。」

ナジルは拙僧の腕前に敬意を払うことにしたようだ。
【2012/07/17 22:49 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
164 闇の囁き


「あなたの腕前と誠実さを見込んで、ちょっとした仕事を頼みたいの。個人的なお願いと言ったほうが良いかしら。」



アストリッドは『守りし者』シセロによる反逆を恐れていた。
シセロの部屋で彼が誰かと話しているのを聞いたというのだ。
反逆を起こされる前に潰すというのが彼女の方針だとか。

そこで拙僧にシセロの部屋に忍び込み、シセロの共謀者を炙り出して欲しいという。
「思い過ごしじゃないか?被害妄想に過ぎると思うが。」
「確かに被害妄想かもしれない。でもこれまでこの被害妄想のおかげで、幾度となく危機を乗り越えてきたの。」

アストリッドの眼差しは、絶えず強い光を放っていた。
拙僧は負けたとばかりに両手を上げた。
「分かった。協力しよう。」



拙僧はシセロの部屋に忍び込むと、まっすぐに夜母の棺へと向かった。
アストリッド曰く、シセロも共謀者も暗殺のプロであり、相当型破りな所に隠れないと、見つかったしまうとのことだった。



うわ~。ミイラがいるよ~。
拙僧ってば、本当にここに一緒に入るの~??



うう・・入っちゃった。
早く出たいよぉ。



(バタン)(・・・お、シセロが来たな。)



(ん?どうもシセロはさっきから独り言を言っているようだが。)



「・・・この日が来るのをずっと待っていました。」

ぎゃ~~~!!!出たああああああ!!

いつしか棺の中で、ぼ~っとミイラが光り輝いていた。
あまりの光景に、危うく拙僧は失神しそうになった。
(→現実世界でも作者の鳥肌が立ちました。)


しばらくの間、拙僧は頭の中に直接語りかけてくる夜母の声に耳を傾けることになった。



夜母よ・・・今の話、マジ?

ひとしきり話しきると、夜母はまた単なるミイラへと戻った。



棺の中から出てきた拙僧を見て、シセロは腰を抜かしそうになるほど、驚いていた。
やがて驚愕から立ち直ると、「不敬」だの「不信心」だの散々に罵られた。



だが、拙僧が夜母から聞いた話を伝えると、シセロは今度は驚きと嬉しさでひっくり返った。

「ひゃっほ~!!とうとう、とうとうシセロは『聞こえし者』を探し当てたー!」

・・・そう、拙僧は夜母からの指示を受けて、闇の一党メンバーに伝達する『聞こえし者』になったらしい。




「何?何があったの!?」

アストリッドが室内に躍りこんできた。
ドア付近で聞き耳を立てていたようだが、シセロの興奮した大声を聞いて拙僧を案じ、飛び込んできたとのこと。

アストリッドにも拙僧が先程聞いた話を伝えたが、やはり衝撃だったようで、しばらく黙り込んでしまった。
そして無用の混乱を防ぐ為、拙僧に一時的に口止めするよう言い聞かせると、自室に引き上げてしまった。



呆然としているアストリッドは放っておいて、とりあえずナジルから任務でももらうとしよう。
【2012/07/15 00:25 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
163 訪れることのない哀悼


ソリチュードでの問題を解決した後、聖域に戻った拙僧に、アストリッドからさっそく業務命令が飛んできた。
長の呼び出しを放ったらかしにしてた割には、特段お咎めもなし。ラッキー。



依頼人はマルカルスの住人ムイリだった。
「デュフォンという男を殺して欲しいの。なるべく本人が生まれてきたことを後悔するように惨たらしくね。」

デュフォンという男はムイリの元恋人だったらしい。
口の悪い元カレのせいで、今でもムイリは精神的に追い詰められてるそうな。

「あの・・・。」
「まさかできないって言うんじゃないでしょーね!」
「いや、そうじゃない。拙僧ってば、たぶんもうソイツ殺っちゃってると思う。」



「へ?」
「以前宝探しにドワーフの遺跡に潜った時にさ、そういう名前の長が率いる山賊団を一人残らず壊滅させたんだよね~。」
「・・・それってマジ?」
「マジマジ!」
「・・び、びっくりしちゃった。もう彼はいない訳ね。分かった。ありがとう。」



拙僧はさっそく聖域へと戻った。

「受ける前から、依頼を完了させてるなんて凄いじゃない!やはり私の見る目に狂いはなかったわ。」
「いや、ホント偶然だと思うけど。。」
【2012/07/14 23:01 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
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