ハーフムーン工場で働いている吸血鬼ハーンは1人でいる所を堂々と斬られた。
「衛兵!」と叫んでみたものの、直前にドラゴンとの戦いで衛兵が皆倒されていた為、駆けつける者は誰もいない。
絶叫虚しく、拙僧の手にかかった。
情報では彼には妻がいるとのコトだったが、たまたま外出中だったらしい。
無用の殺生をせずに済んで、拙僧としても助かった。
2人目の標的はモーサルの宿屋に住み着いている吟遊詩人ルーブクだ。

彼の音痴ぶりは凄まじく、それを恨みに思い、暗殺を依頼してきた者が複数いたらしい。
ひとしきり歌った後、ルーブクは自室に引っ込んで喉を休ませていた。
予め物陰に潜んでいた拙僧が、こっそり刀剣を構えていることなど夢にも思うまい。
ぐえ
どさり
「いやはや大したもんだ。あんたの手際の良さには感心させられるよ。」
ナジルは拙僧の腕前に敬意を払うことにしたようだ。

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