「よぉ、にいちゃん。俺と一杯やらんか?」

「あいにく今日は持ち合わせが心許なくてな。」

「ツレねえなあ。よし・・俺に勝ったら、奢りにしてやんよ。どうだ?」

「呑みっぷりじゃ、拙僧には勝てんぞ。後悔するかもしれんが、いーのか?」
吟遊詩人大学での勉強をひとしきり終え、早速実践とホワイトランの『バナード・メア』にやって来た。

しかし思ってたようには上手く行かず、今日のところはさっさと引き上げようとしたところで、酔っ払いのサムという男に絡まれたのだった。
軽くむしゃくしゃしていた拙僧は、せいぜいタダ酒を楽しんでやろうと、サムの申し出に受けてたった。
・・・ところまでは良かったのだが。
「起きなさい!」
う・・・もう朝か。
「さっさと立ちなさい!」
あー頭が痛い。もうちょっと寝かしといてくれよ、マスター。

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ん?ここ、バナード・メアじゃねえな。
「ここはマルカルスのディベラ聖堂ですよ!」
「へ?」

「昨夜の乱暴狼藉は到底許されるものではありませんよ。」

「え?え?拙僧、何したの?」
「呆れた・・・。覚えてないというのですか。これだから酔っ払いは。」
「すまない。本当に分からないんだ。教えてくれ。」
拙僧は女神官から、昨夜聖堂に侵入して、中でむちゃくちゃに暴れて、ゴミを巻き散らかしたことを知らされた。
罰として、ゴミを片付けるよう命じられたが、処置としては寛大な方だろう。
ゴミを拾い終わった拙僧は、女神官に報告すると共に昨夜の事を詳しく聞いてみた。
「昨夜のことですか?」
「ああ。サムというツレが一緒にいたはずなんだが。」
「うーん・・・あなたは一人でした。言葉も支離滅裂で良く分かりませんでしたね。ただ『ロリクステッド』でどうこうと何度も呟いてましたよ。」
「ロリクステッド?」
「ホワイトランの小さな農村ですよ。そちらに行けば、何か分かるのではありませんか?」
う~・・何も思い出せん。。

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