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【2025/04/30 21:52 】 |
142 シャリドールの洞察


図書館でオークの変り種、ウラッグ・グロ・シューブに呼び止められた。
久しぶりの再会だが、相変わらず筋骨隆々の外見とは裏腹に、本を愛して止まないらしい。

「シャリドールの本を探し出して来てはもらえないか?」
「シャリドール?」
「まさか、知らないとでも言うのか?偉大な賢人だ。現代の魔法使いの知識は、彼の足元にも及ばないだろう。」
「へえ。で、心当たりはあるのか?」
「ああ。彼の本を読めるのは、一握りの者だけだ。幸い、私はその中の一人だ。取ってきてくれたら、彼の本を読み解いて、有益な情報をあんたに伝えよう。」
「良し、乗った。」



本は意外とあっさり見つかった。
どれどれ?



うわ、古代文字で書かれてて、さっぱり読めん。



「ほれ、持って来たぞ。翻訳にどれぐらいかかる?」
「そうだな、1~2日あれば完了できるだろう。」



2日後、約束通り、彼は本から読み解いた秘術を教えてくれた。
変性呪文の消費を抑え、持続時間を増加させる為の方法だ。

後日、同様の本を探し出した時は、召還魔法の秘術を会得することができた。

すげえな。さすが、大賢人といったところか。
拙僧なんて、大学の校長を名乗っていても、正直魔法はさっぱりだからな~。
そりゃ過去の賢人には適わんわな~。
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【2012/06/24 00:30 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
141 オンマンドの要求


甘い新婚生活をスタートして間もなく、ウインターホールド大学より召集がかかった。
どうも大学内外でゴタゴタが多発しているらしい。

大学に戻った拙僧に、まず相談を持ちかけてきたのは、かつての同級生オンマンドだった。

「エンシルにさあ、先祖伝来のアミュレットを売ってしまったんだよねえ。取り返してくんない?」
「お前さ、その程度の事は自分でやれよ。」
「駄目だよ。俺が言ったって相手にしないのがオチさ。」


交渉の一つも出来ないとは・・情けない。



「おお、校長。何か御用ですかな?」
「その通りだ。オンマンドから杖を買ったんだろう?返してやれよ。半ベソ掻いてたぞ。ホレ、金だ。」
「他でもない校長の頼みだ。・・分かりました。お返ししましょう。」



「ホレ!杖だ。」
「ありがとう。恩に着るよ。」
「一身に魔法研究に打ち込むのもいいが、もう少し世間慣れしてもらわないと困るな。」
「ああ、そうだな。・・・良かったらあんたの旅に同行させて貰えないか?」
「駄目!」
「駄目って何で?」
「拙僧は男連れの旅なんて嫌なの!」
【2012/06/22 23:46 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
140 結婚


もぐもぐ、もごもご。

「どーしたの?手が止まってるじゃない、あなたらしくもない。」

その日、拙僧はバナード・メアにて、飲み仲間のイソルダといつものように飲んでいた。
いや、正確には『いつものように』ではないか。



「結婚しよう。」

「え?何か言った?」

「・・・・・・結婚しよう。」

「・・・・・・・・・・・・・・・え?」





「いいわよ。喜んで。」



二人の間にそれ以上の言葉は必要なかった。

これまで散々語らって、互いの事を知り尽くしていたから。



振り返ってみれば、いつのまにか、彼女が隣にいることが当たり前になっていた。

ホワイトランで従士になった時。
同胞団の導き手になった時。
困っている彼女の依頼を受けた時。
拙僧がデイドラ王子・サングインに引きずり回された時。
ソリチュードの首長に恋した時。
彼女に振られた時。
内戦を戦い抜いた時。



etc.

何かある度に、バナード・メアでイソルダ相手に酒を飲んでいたような気がする。
愚痴を言ったり、笑い合ったり、空気のように身近にいることが当たり前で、でも不可欠で。

屈託なく接することの出来るトモダチを、女性として意識するようになったのは、いつ頃からだろう?




「いいでしょう。ここマーラ聖堂を式場に選んでくださって、光栄に思います。」
「お許し頂き、ありがたく思います。」
「では明日の夕刻から式を開始します。遅れないようにいらっしゃって下さいね。」


そして、次の日の夕刻・・・・



拙僧とイソルダの結婚式は、厳かに執り行われた。



「おめでとう!」

列席者から賛辞の声が上がった。
同胞団、魔法大学、盗賊ギルド、吟遊詩人大学の面々が駆けつけてくれたのだ。

他に、拙僧が従士を務める各都市の首長達や、出会いの場「バナード・メア」から祝辞が届いた。


取り立てて頼んだわけでもないのに、皆が駆けつけてくれたのが嬉しかった。




「差し当たって、住居はどうする?」
「イソルダの家に拙僧も住まわせてもらってもいいかな?」
「構わないけど、狭いし、ボロよ。」
「いいさ。」



こうして、拙僧はイソルダとの新生活を始めた。



「あなたー!料理ができたわよ。」
「・・・・。(なんだ?この得体の知れない物体は?」
「どう、美味しい?」
「・・・うぐ・・・ぐふ・・・・お、おいひ~。」
「うふふ、良かった。」


波乱の新生活が始まった。
【2012/06/21 22:50 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
139 ウィンドヘルムの戦い3


テュリウス将軍は帝国軍兵士達を、宮殿前の広場に集めて演説を始めた。

将軍の演説は無骨ではあったが、兵士の胸を打つ内容だった。
これまでの戦いを振り返り、兵士の中には涙を浮かべる者さえいた。

ウインドヘルムには帝国の息のかかった新首長が置かれることになり、治安維持の為、軍の大半がウインドヘルムに駐留することになった。
その他の兵士はスカイリム全土にいるであろう残党を殲滅する為に、各地を転戦することになった。真の内戦終結まで、まだまだ先は長い。
それでもウルフリックという強大な旗印を失ったストームクロークは、直に数を減らしていくことだろう。



「お前さんには随分と活躍してもらったな。」

勝利演説の後、テュリウス将軍は一番の功労者である拙僧を労った。

「おそらくお前さんあってこその勝利だった。もしお前さんが敵方に与していたら、こうやって勝利を叫んでいたのは我らではなかっただろう。お前さんには望みうる限りの最高の栄誉を与える準備がある。何でも欲しいものを言ってくれ。」
「そうか。」
「ああ、遠慮なぞしなくていいぞ。」
「では、『自由』が欲しい。」
「自由だと?」
「ああ。拙僧は冒険者だ。元々組織に縛られるのは苦手な性質でな。かと言って、せっかく帝国軍で手にした権力を放り出すのも惜しい。拙僧は強欲でもあるんだ。だから拙僧の好きな時に好きなように振舞える自由をくれないか?」

拙僧の言い分を、ぽかんとした表情で聞いていたテュリウス将軍とリッケ特使だったが、数秒の空白の後、リッケ特使が顔を真っ赤にして怒った。

「何、好き勝手言ってんの!あんた将軍の好意に際限なく甘えようとしてるでしょ!」
「悪いか?」
「な、ななな、なんてこと!」
「はっはっは。分かった!良いだろう。」
「将軍!」
「お前さんを将軍付きの名誉特使に任じよう。特に任はない。普段は好き勝手するも良し。事あらば、各地の帝国軍を好きに使ってよし。私に断る必要もない。」
「話せるじゃねえか!」

こうして拙僧は帝国軍内でも強力な力を手に入れた。



「従士・・その格好は?」
「ああ、見ての通りウルフリックの物だ。拙僧が男と認めた奴のな。」
「何故です?」
「さあ、何故かな。ただ、しばらくこの格好で各地を回ってみたくなって・・・な。」
【2012/06/19 22:08 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
138 ウィンドヘルムの戦い2


ウインドヘルムの宮殿内に突入した拙僧の傍らにはいつの間にか、テュリウス将軍とリッケ特使がいた。

「あれ?リッケって留守番じゃなかったのかよ?」
「誰が留守番よ!ふん、あんたにおいしい所を独り占めさせてなるもんですか!」
「つまり、将軍に無理やり頼み込んで、付いて来たってわけね。」
「二人とも、気を抜くんじゃない!眼前の敵に注意しろ!」
「は、すみません。」
「へーい。」



「久しぶりだな、ウルフリック。」
「ああ、ヘルゲン以来か。」
「大戦中のお前は英雄だった。どうだ?いさぎよく降伏せんか?・・それなりの敬意を払って、処刑に臨ませてやるぞ。」
「ふん、結構!私は最後まで、スカイリムをお前達帝国に委ねるつもりはない。」
「そうか。ならばこの場で斬り捨てるまでだ。」
「そう、上手くいくかな?○△×▼□■◎!!!



ウルフリックのシャウトがテュリウス将軍に炸裂し、吹っ飛んだ彼は宮殿の壁に叩きつけられて呻いた。

それと同時に、ウルフリック側近のガルマルが剣を抜き放ち、リッケに斬りかかる。
リッケの剣も洗練されているが、歴戦のガルマルの前では防戦一方だ。

ははははは!

笑いながら、ウルフリックが剣を構えて、将軍の元へと歩み寄っていく。
脳震盪を起こしたのだろう。軽く頭を振りながらも、将軍はウルフリックの攻撃に備えて立ち上がった。



ん~。どうも帝国の二人の方が劣勢だな。
しゃあない、拙僧が出るか。



オラア!



忽ちのうちに、拙僧はガルマルを倒し、ウルフリックにも一撃を食らわせて、地に膝を付かせた。



「殺れ!殺ってしまえ!」

テュリウス将軍の声が宮殿内に響き渡る。
将軍は、膝をついたウルフリックを前にして剣を収めた拙僧に激怒していた。

「今日はもう十分に殺した。」

拙僧の剣は誰かに強いられて振るうものじゃない。答えはノーだ。



「ならば、私自ら手を下すまでよ!」
「将軍、お待ちを!」


リッケが静止する間もなく、テュリウス将軍の剣はウルフリックの体を貫いていた。




かくしてスカイリム全土を巻き込んだ内戦は、ここに終結した。
【2012/06/19 21:50 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
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