「ほう、そんなことがありましたか?」
「ああ、あいつタダ者じゃねえな。あの技にあの強さ・・・きっと孫●●」
「ともかく目的の物はありますかな?」
「・・あ、ああ。これだ。」

「ほ、ほお・・・・ふむふむ・・・むむむ・・・駄目だ、これでは使えない。」

「どうかしたのか?」
「証拠として、用いることが出来るかもしれないと期待していたのです。」
「何の?」
「歴史です。我々吟遊詩人大学の恒例行事で焚刑祭というのがありましてな。」
「ああ、聞いたことがある。確か祭りのクライマックスに王の彫像を燃やすんだよな。」
「そうです。ところが今年は、首長のエリシフから『待った!』がかかりまして。」

「何故だ?」
「きっとおつらいのでしょう。ただでさえ、先日夫を亡くされたばかりなのですから。

彫像とは言え、王が焼かれる姿を見たくないのでしょうね。

だからと言って、我々も長年続いてきた祭りをそう簡単にも止められません。儀式にちゃんとした意味があることを証明して、例年通り、焚刑祭を執り行いたいのです。」
「それで詩歌と何の関係があるんだ?」
「ここに手がかりが書かれているに違いないと思ったからです。しかし、墨で塗り潰されているところもあり、肝心なところで情報が足りません。」

「・・・なら、情報を補ったらどうだ?」
「大丈夫ですかねえ?あなたに言われて、いろいろ文言を付け足しましたが。。」

「大丈夫大丈夫!世の中、度胸とハッタリで大概のことは乗り切れるもんよ。」

「そりゃ、傍らで見ているだけのあなたは良いですよ。私は首長や執政の前で、歌わないといけないんですから。」

「ま、駄目だったら逃げるまでさ。吟遊詩人大学に戻るのは無理だが。他にアテはいくらでもあるからな。」

「いくらでも?」

「同胞団、ウインターホールド大学、盗賊ギルド、フォースウォーン・・ああ、後、ホワイトランとリフテンにも顔が利くぜ。どこに行きたい?」

「・・・なんか、あなたが末恐ろしく思えてきました。」
「あんた、ジョーンか?」
「あなたは?」
「拙僧はエダジマ。この度吟遊詩人大学に新たに入学した者だ。」
「そうか、今後ともよろしく。」
「こちらこそ。・・そうそう学長から言伝だ。『目出度く、焚刑祭再開の認可を首長より頂きました。準備をよろしく』だとさ。」
「何!?それは本当か?よし、これは忙しくなるぞ!すまんが・・・あなたは日が暮れたらまた来てくれ!」
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