同胞団の導き手『コドラク』の葬儀が、全団員が参列する中、しめやかに行われた。
偉大な指導者の突然の死に、皆落胆の色を隠せない。
特に古くからのメンバーであるアエラ、ファルカス、ウイルカスはショックが大きいようだった。
「コドラクの部屋にあるウースラドの破片を取ってきてくれ・・・。」
拙僧は頼まれた通り、コドラクの部屋で目的の物を見つけたが、同時に一冊の本が目に入った。
コドラクの日記だった。
・・・悪いと思ったが、ついつい読んでしまう。
『アエラは激しい気性を抑えきれないし、ファルカスは精神をコントロールできているが、脳筋馬鹿だ。ヴィルカスは感情に流されて、指導者として厳しい。誰を後継にしたものか、悩んでいたが、最近入ってきた若者が素晴らしい実力と高潔さの持ち主であることが分かった。エダジマだ。彼の今後の成長に期待する。』
・・・まじかよ、じーさん。。
コドラクの葬儀の後、サークルのメンバーで『コドラクの魂を清めよう』という話がなされた。
イズグラモルの墓に行けば良いらしい。
善は急げで、早速向かうことになった。
「コドラクの為に!

」とか言ってた割りに、墓の奥に行くためには試練があると分かると、
途端にヴィルカスは「落ち込んでてそんな気分じゃない。」とか言い出した。

ファルカスに至っては「蜘蛛が怖い。誰だって苦手なものはあるだろう!?」と逆ギレする始末・・・。
・・・いや、責める訳じゃないけどさ、良いの?それで。
結局、拙僧とアエラだけで奥へとやってきた。
墓の奥では亡霊となったコドラクが拙僧達を待っていた。
「よく来たな。やはり私の見込んだ器だ。・・何?私の魂を浄化する?それは無理な話だ。」
「いいや、拙僧はお主の言ったとおり、魔女の首を持ってきた。」
「それはすごい!では早速、それを火の中に投げ込んでくれ!」
魔女の首を火の中に投げ込んだ途端、コドラクが苦しみだし、中から狼の姿をした魂が現れた。
事情が分からないままだったが、とにかく一刀両断に斬り捨てた。
「ありがとう。これで私は忌まわしいウエアウルフの血から開放された。」
「あ、今ので良かったのか。」
「お前の魂の高潔さは他の比較にならんな。」
「いや、・・
・ただ女が好きなだけなんだけど・・・ゴニョゴニョ。」
「お前こそ、次の導き手にふさわしい。同胞団を更なる高みに導いてやってくれ!」
「え?今何て?」
「聞き間違いかしら?今あなたを『次のリーダーに任命する』と言ったように聞こえたけど。」
アエラの顔は紅潮していた。
「ああ、聞き間違いだと思う。」
だって、そんなもんなっちまったら、拙僧の自由はいずこかへと吹き飛んでしまう。
『全世界の女性は拙僧のもの』計画が水の泡に・・・。
「あなたを最初に導き手と呼べるなんて、光栄だわ!

エダジマ万歳!!皆に伝えてくるわね。」
風のように走り去っていくアエラ。好かれたようなのは嬉しいが、人の話を全く聞いちゃいねー
ま、しばらくは・・・しゃーねーか。
同胞団の女の子たちでハーレム築けるかもしんねーし。
そのうち、適当なこと言って、旅にでも出ようっと。
かくして拙僧は同胞団のリーダーとなった。
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