「はああ?ヴァルドに取り入りたい?そりゃまたどうして?」
ブリニョルフと相談した結果、メルセルが国外逃亡する前に、一刻も早く捕まえる必要があるという認識で一致した。
そこで、まずメルセルの行方を知るための手がかりを求めて、メルセルの家に行くことにしたのだ。
ただし、ヴァルドという男が常に家の周りの見張りをしており、秘密裏に事を運ぶのは至難の業だった。
「ヴェックスに聞いてみたらどうだ?彼女は情報通だから、何か知ってるかもしれん。」
期待した通り、ヴェックスは有力な手段を示してくれた。
「ヴァルドはメイビンに多額の借金をしているんだ。もしその借金を帳消しにできたら、奴は何でも言う事を聞くようになるだろうね。」
「・・・というわけなんだ。メイビンさんよ、協力してもらえんかな?」

「却下!」

「頼むよー!」

「却下!・・・はい、どうぞ。って簡単に言えるわけないでしょう。」

「ケチ。」
「ケチじゃなくて!まあ、でも代わりに言う事を聞いてくれたら、彼の借金をチャラにしてあげるわ。」
「話せるじゃん!で、何をすりゃ良いんだ?」
ホンリッヒ湖にやって来た拙僧は、ここのどこかに沈んでいるボートを探すべく、サルベージの日々が続いた。
あった!
ボートを見つけ出し、積んでいた金庫の中から『複製の羽ペン』というマジックアイテムを入手した。
「よくやってくれたわ。今度は私が約束を守らなきゃね。」
「はい、これが借金を帳消しにする書類よ。」

「サンキュー!」

「赤の他人の借金を無くすために奮闘するなんて、あんたも物好きね。」

「当然、見返りを期待してのことだけどな。」

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