現ギルドマスターのメルセル・フレイに、黒幕について相談してみた。
彼にも見当がつかないとのことだったが、協力者のガラム・エイならば分かるかもしれないと教えてくれた。
「ただアイツは最近ギルドに対して非協力的だ。気を付けた方がいい。」
突然拙僧とメルセルの会話に割り込んできたブリニョルフ。
まあ、適切な助言をくれたようだし、いいか。
「ゴールデングロウ農園・・・?知らんな。」
「はいはーい!トカゲちゃーん。嘘はいけないな~。」
「知らないものは知らないって言ってるだろ。」
「後でバレると大変なことになるぜ。拙僧がニコニコしてる間に吐いちまえよ。」
「・・・。」
ガラム・エイはとある人物の依頼を受けて、ゴールデン農園の買取を行ったことを自白した。
ただその『とある人物』については、知らないの一点張りだ。
怪しい。
拙僧は、用は済んだとばかりに、立ち上がったガラム・エイの後をこっそりと尾行した。
すると彼は東帝都社の倉庫へと入っていった。
彼はギルドの協力者の立場ながら、表の顔は東帝都者の請負社員である。
倉庫に向かうのは不自然ではない。
ただ虫の知らせか、おかしな気がした拙僧は、尾行を続けた。
倉庫に入った彼は、辺りの荷物に一切注意することなく、どんどん倉庫の奥へと歩いていった。
すると山積みにされた荷物の奥に洞窟への抜け道があることが分かった。
ガラム・エイは当たり前のように洞窟の中へと姿を消した。
洞窟の中には、山賊が大勢屯していた。
なるほど、おそらくガラム・エイは賊共に東帝都社の荷物を横流ししているに違いない。
儲けた金をピンハネしているせいで、ギルドへ回す金が減るようになったのだ。
「あちゃー。ここまで来ちゃったのかよ。」
「見たぞ。お前の裏取引現場を!(嘘)」
「・・・黙っててくれよ。」
「別にいーけど、タダじゃあ無理だな。」
「条件付きかよ。」
「拙僧は喋ったっていいんだぜ。お前さんがギルドと東帝都社の双方を敵に回すことになるだけだ。」
「分かった!あんたの言い分を呑もう。何なんだ?」
・・恐るべきことが分かった。
ギルドに敵対する黒幕はなんとカーリアという女性らしい。
ギルドの古株連中の話によれば、先代のギルドマスターを殺害した張本人ということだった。
PR