忍者ブログ
  • 2024.03
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 2024.05
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【2024/04/20 06:44 】 |
026 遅くなった埋葬2


俺はシセロの頼みを聞いて、ロレイウス農場へとやってきた。

「あ~、ロレイウスさん?」
「そうだが。何か用か?」
「近くでシセロって人が・・・」
「それ以上言うな。俺が知ってることを言うんだったらな。当ててやろうか?あの頭のイカレた道化師野郎が立ち往生して困ってるんだろう?そして車輪の外れてしまった荷馬車を俺に直して欲しい。・・・違うか?」
「当たってます。っていうか、どうして彼の頼みを拒否るんですか?ちゃんと報酬は支払ってくれるんでしょう?」
「金は問題じゃない!あいつの格好を見たろ?はん!道化師だ!?このスカイリムで?ずっと俺はここで過ごしてきたが、かつて一度だってあんな奴を見たことはないぜ。」
「まさか、それが理由じゃないですよね?」
「俺が言いたいのは奴はイカレてるってことだ。それに、あいつの荷物も怪しさ満点だ!母親の棺桶だって?間違いなく嘘だね!武器だったらどうする?スクゥーマだったら?・・・あんな奴には関わらない方が利口なのさ。」
「ん~。確かにそうかも。」
「分かってくれたか、兄ちゃん。」
「でもどうしたらいいだろ?俺、ちょっと絡んじゃいましたよ。」
「大丈夫さ。巡回中の衛兵に通報すればいい。」



俺は街道に戻って、シセロに見つからぬよう、離れた所で衛兵が来るのを待った。

「すみません。この先をもう少し行った所で、不審者がいて、怖くて通れないんです。」
「不審者?どんな奴だ?」
「道化師の格好をしています。時々奇声を発するし、とにかく異様な雰囲気を持っています。」
「よし、分かった。調べてみよう。」
「よろしくお願いします。」



「おい、そこのお前。こちらを向け!」
「はあん?シセロを呼ぶのは誰だ?」
「シセロと言うのか。積荷は何だ?」
「母の遺骸と棺桶だ。」
「本当か?ちょっと調べさせてもらおう。」
「触るな。何人たりともそれは許さん。」
「ほう?衛兵の職務を妨害すると言うのか。それではお前は立派な犯罪者だ。大人しく牢に入ってもらうとしよう。」
「ぬぬぬ・・。これはロレイウスの仕業だな。よくもよくもよくもシセロを裏切ったな!絶対にあいつに目に物を見せてくれる。許さん、許さんぞ!」



「あんたは何も心配しなくていい。もう少し待てば、交代の衛兵がやってくる。そうすれば全員で街まで移動して、奴を牢にぶち込んでくれる。」
「ありがとうございます。これで安心して旅を続けられます。」



「ぷぷ。なんか残念な事になったね。」
「お前は全くシセロの役に立たなかった。がっかりだ。残念だ。失望だ。」
「まあ、車輪はきっと衛兵が直してくれるよ。ただし証拠物件として押収されるだろうけど。」
「ああ!シセロは秩序を守るのが大好きなんだ。シセロはただ立っていただけだ!何もしちゃいない。不当だ。横暴だ!」

俺は喚き散らすシセロの下を去った。



「どうだ?奴を衛兵に突き出したか?」
「ああ。」
「はっはー!お前は最初から気に入ってたんだ!おう、これ少ないけどとっとけ!」
「え?別にいいよ。」
「いいから取っておけって。このご時勢だ。何かと物入りだろう?」
「・・分かった。ありがたく受け取るよ。」
「そう、こなくちゃ。まあ、何も心配することはねえぜ。お前さんは巨悪の芽を事前に摘み取ったに過ぎないんだ。そう思いな。」
「う~ん。」


まさか後日ロレイウスの言葉が真実になろうとは・・・この時の俺には思いもよらなかった。
PR
【2012/10/12 23:59 】 | 伝承の旅 | 有り難いご意見(0)
<<027 フロストフロウ地獄1 | ホーム | 025 遅くなった埋葬1>>
有り難いご意見
貴重なご意見の投稿














<<前ページ | ホーム | 次ページ>>