忍者ブログ
  • 2024.04
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • 2024.06
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【2024/05/02 07:12 】 |
011 嵐の前1


「姉貴は旦那と製材所を経営しているんだ。おーい!姉貴~!」



「おっ、いたいた。姉貴~!」



「あれ、レイロフ!無事だったのね。ちょっと心配してたのよ。何でもウルフリックが捕まったなんて噂を聞いたもんだから。」
「ああ、それ本当だぜ。2日前のことさ。」
「マジ!?ちょっとあんた大丈夫なの?」
「ああ・・・何とかな。こっちにいるカイトの手助けもあって、命拾いした。」



「カイト・・・さん?初めまして。レイロフの姉のジャルデュルです。」
「あ、ども。」
「弟の命を救ってくれたそうね。感謝するわ。」
「あ、いや。助けてもらったのはこっちの方っていうか。お互い様なんです。」



「レイロフおじさ~ん!帰ってきてたんだね!」
「よう!元気にしてたか?」
「うん。それよりまた帝国の奴らをギャフンって言わせたんだろ。いっぱい話を聞かせてよ。」
「ああ、後でな。頼みがあるんだが、その帝国の奴らがこっちに近づいてこないか、あっちで見張っててくれないか?」
「ちぇっ。分かったよ。どうせ、俺抜きで大事な話をするんだろ?大人ってズリぃよなあ。」

少年は悪態をつきながらも、レイロフに言われた通り、表通りで周囲の監視を始めてくれた。



ジャルデュルの夫も加わって、4人になったところで、レイロフがヘルゲンでの事を切り出した。

「何ですって!ドラゴン!?とてもじゃないけど、信じられないわ!」
「俺だって目撃者じゃなけりゃ、そう言いたいところだけどさ。しかし事実なんだよ。な、カイト?」
「うん。確かに俺も見た。あれは幻覚とか詐欺の類じゃない。本当に実在してた。大勢の死人も出たし・・。」
「どうやら本当の話のようね。となると、少々まずいわね。」
「まずいって何が?」
「ドラゴンよ!見ての通り、この村にはドラゴンから村を守る城壁も何にもない。ドラゴンが襲ってきたら、ひとたまりもないわ。」
「じゃあ、どうする?」
「・・・そうねぇ。ああ、そうだ!ホワイトランに行って、首長に話が伝われば守護兵を寄越してくれるかもしれないわね。あなた達、伝令をお願いできないかしら?」
「よし、分かった。俺達に任せてくれ。いいだろ、カイト?」
「ああ、もちろん。」
「ありがとう。うれしいわぁ。とりあえず私の家に来て頂戴。好きなだけ滞在してくれて構わないわ。ある物は自由に何でも使って。」



「こっちだ。」

旦那さんに案内されて、俺はジャルデュルの家にやって来た。
しばらくここで英気を養うことにしよう。



お、料理鍋だ。
ただ居候するだけなのも申し訳ないし、なんか料理でも作るかな。



「お、カイト。料理なんてできんのかよ!?」
「ま、上手かどうかは別にして、だけどね。」
「いやあ、大したもんだぜ。」

その日の晩は、俺が作ったキジのローストと野菜スープを皆で食べた。
ヘルゲン砦で帝国軍の食材をパクッてきたんだけど、早速役立って良かった。
PR
【2012/08/29 23:00 】 | 伝承の旅 | 有り難いご意見(0)
<<アクセス障害 | ホーム | 010 解放10>>
有り難いご意見
貴重なご意見の投稿














<<前ページ | ホーム | 次ページ>>