人家のある所から遠く離れた入り江の一角に、アイスランナー号は漂着していた。

すでに航行不能になっているらしく、人々が気忙しげに動き回っていた。
「おお、あんたが協力者か。話は聞いてる。ディージャは船倉の奥であんたを待ってる。」
船で動き回っているのは、どうやらブラック・ブラッド団という新興の盗賊団だけらしい。
はて、アイスランナー号の乗組員はどうしたのか??
くそっ。皆殺しにされてる。

・・・ジャリー・ラめ。拙僧を欺いたな。
「待ってたよ。協力者さん。」

「あんたがディージャか。積荷はすべて運び出したようだが、拙僧の取り分はどこだ?」
「ふふふ。ジャリー・ラから聞いてるよ。礼を尽くしてくれってね。私のナイフの味なんてどうだい!?」
「やっぱりそういう展開かよ。」
返り討ちにしたディージャの懐から、ジャリー・ラの手紙が入っていた。
「なになに。『何も知らずに協力してくれた大馬鹿がそっちに行くから始末しろ。事が済んだら、ブロークン・オール洞窟で落ち合おう』だと。ふざけてやがる。」
今、決まった。
ブラック・ブラッド団は今日を限りに壊滅だ!!
ブラック・ブラッド団にとって、災厄とも言える長い長い夜が始まった。
オラァ!
オラオラオラオラアーーーッッ!!!PR