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【2025/05/01 22:54 】 |
112 氷の上の血4


古物商のカリクストは、見知った間柄ということもあり、快く拙僧を店内に入れてくれた。
しかも、店内にある彼のコレクションを説明付きの紹介をしてくれるという。

「昔、妹とこの地に値打ち物が転がってると聞いて、2人でやって来たんだ。楽しかったもんさ。妹は亡くなってしまったが、私はこの店を開いて、当時のコレクションで商売をしている。スカイリムの人々に我々のコレクションが少しでも役立ってると知れば、妹も喜ぶだろう。」



これは古代ノルドの解体治具さ。



これは運命の書。見る人によって、中身の文書が全く違うものになるらしい。中身が全く白紙の人は、あまり特筆すべき人生でないか、死期が間近に迫っているかのどちらかのようだ。



踊り子のフルート。特別な呪文を唱えた後に吹かれるフルートの音色を聞いたら最後、何があっても対象は踊り続けることになるらしい。


拙僧は一通りの説明を受けた後、カリクストに例の髑髏のペンダントを見せた。

「これは代々王宮魔術師に引き継がれる代物だな。」
「そうすると、このペンダントの持ち主はウーンファースってことになるな。」
「そうかもしれんが、俺なら渡さないね。奴は死霊術士らしいじゃねーか。」



「従士、お気づきですか?」
「ああ。リディア・・・お前もおかしいと思ったか?」
「はい、この家には例のモノがありました。それに店主の言動にもやや不可解な点が。」
「ああ。だが、まだ情報が少ない。とりあえず保留だな。」
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【2012/06/03 22:28 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
111 氷の上の血3


血まみれの宝箱には、日記が同梱されていた。
内容から察するに、殺人鬼の物のようだ。
今回の被害者『スザンナ』を狙う過程が克明に書かれている。
だが足がつくのを警戒してか、犯人に繋がる記載は一切なかった。用心深い奴だ。



奥の棚にはチラシがたくさん入れられていた。



チラシの内容は、殺人鬼に用心するよう注意を促すものだ。
他に入っていたのも、これと全く同じものだった。



棚には髑髏入りのペンダントもあった。
何やら薄気味悪くなってきたぞ。。



「妙なペンダントだ。見たことがないな。古物商に聞いてみたらどうだ?高く売れるかも知れんぞ。」

おいおい!証拠品を売っていーのかよ!?



おとぼけ執政の最後のセリフはともかく、ペンダントは有力な手がかりになり得るだろう。
確かに専門家に見てもらった方が良さそうだ。

拙僧は執政の助言通り、古物商を訪ねることにした。
「あれ?あんた、確か第一発見者の人だよな!」
【2012/06/03 21:54 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
110 氷の上の血2


「婆さん、死体に何か変わったことはないか?」
「あったよ。見てごらん。この娘の左肩から腹部まで鋭利な刃物で深く切られているのが分かるだろう?」



「ああ、正直正視できないほどにな。」
「こんなことができるのは、私が持ってるのと同じような特別製だけさ。」
「婆さん以外に、誰がそれを持ってる?」
「この街には、私の他に持ってる奴なんていないさね。」
「じゃあ、婆さんが犯人ってことか?」
「馬鹿をお言いでないよ。ただでさえ、引っ切り無しに運ばれてくる死体を解体するのに大忙しだってのに、自分から死体を増やす奴がいるもんか!」



死者の間の管理人ヘルグリッド婆さんに憤慨されたところで、拙僧はそそくさと外に出た。
さて、何か他に手がかりはないものか・・・。

ん?

・・・これは血痕か?

目を凝らしてよく見てみると、殺害現場から血痕が点々と続いている。




血痕を辿って行くと、やがて一軒の家に辿り着いた。
扉の鍵はかかっているようだが、盗賊ギルドの長である拙僧に、開けられない扉などあろうはずもない。



ん~、今回はとことん刺激があるクエストだな。。

血痕は部屋の片隅にある血まみれの宝箱にまで続いていた。

どうやら周囲の壁の様子からして、この宝箱はつい最近動かされたもののようだ。
もしかすると、死体の内臓でも中に入れて運んだのか。
・・・そう言えば、死体は所々深く抉られていたな。
【2012/06/03 21:29 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
109 氷の上の血1


「この街で、今連続殺人が起きているんだ。犯人の手がかりは全くない。皆、怯えているよ。」

ウインドヘルムの陰気さは何も寒さのせいばかりではないらしい。



「まただ。またやられた。」

墓地の人だかりの中には、刃物でぐちゃぐちゃに切り刻まれた女性の姿があった。



「何故、連続殺人だと?」
「死体を見てみろよ。鋭利な刃物で切られるだけでなく、抉り取られた部分もある。しかも若い女性ばかりだ。これだけ状況が一緒なら、同一人物の仕業と考えるほうが自然じゃないか?」
「まあ、そうかもしれんな。ところで、忙しいんなら拙僧が捜査を手伝ってやろうか?」
「それはありがたい。今、我々は戦争の準備で手一杯でな。では、まず聞き込みから始めてくれ。」



「あなたが第一発見者だな。怪しい奴を見かけなかった?」
「確かに私が最初だと思うが、よく見てなかったんだ。」



「右に同じ。腹減ってんだ。少しばかり恵んでくれないかい?」



「私は死体を安置所に運ぶ為に来ただけだよ。」



「・・・てな感じだ。」
「がっかりしたろう。いつもこんな感じだ。犯人め、全く姿を見せやがらない。」
「こうなったら、とことん調べるぞ。」
「ちょっと待て!ならば、上司に一応話を通しておかんとな。今すぐ王宮へ行ってくれ。」



「いーよ。助かるわ。」



「もう帰ってきたのか?」
「・・・ああ、あっさりと承認された。拍子抜けだわ。あれ、死体は?」
「ああ、それなら死者の間へと運ばれたよ。」
【2012/06/03 20:56 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
108 ホワイトファイアル


「師匠、無理ですって!あなたの体が持ちません。」
「ええい、放せ!ワシの一生の夢なんじゃ。諦めきれるか。」


拙僧はウインドヘルムの錬金術店に入った途端、回れ右をしたくなった。
師弟関係にあると思われる店員2名が激しく言い争っていたからだ。
彼らはしばらくの間口論を続けていたが、ふいに拙僧の存在に気付き、頭を掻きながら、互いに矛を収めた。

「今のは、一体何だったんだ?」
「お恥ずかしいところを見られてしまったようじゃの。実は、ワシは生涯をかけて探しているものがあっての。」
「何だ?」
「白い小瓶じゃ。」
「小瓶?」
「ただの小瓶ではないぞ。いわば魔法の小瓶じゃ。錬金術に必要な液を無から生み出す事の出来る不思議な物での。」
「そりゃあ、スゲエな。」
「じゃろ?先日、ついに有力な手がかりを得ての。探しに行こうとしておったのじゃ。だが、このお節介めが。ワシが出かけるのをダメだと言いよる。」
「師匠の体は絶対、安静にしてなきゃダメなんです。本来ならカウンターに立つことも反対なんですよ。」
「・・・聞いての通りじゃ。」



結局、死ぬ前に一目でいいから物を拝みたいという師匠さんの願いを適えるべく、拙僧が代わりに小瓶を取りに行くことになった。

幸いなことに目的地はかつて盗賊ギルドの仕事で忍び込んだことのある『見捨てられた洞窟」だった。
確かに奥のほうに、妙な台座が置いてあったが、あの時はスルーしていた。

この台座に師匠さんからもらった、特別な液を注げば・・・



ほーら、開いた!



おお、これか。
・・・あれ?割れてるぞ。いいのかな?



「おお!ありがたや!小瓶を取ってきてくれたか。」
「ああ、確かに。だが、底が割れていてな。」
「何じゃと!お主、割ったのか?」
「いいや、元々割れていたんだ。」
「そうか・・。やはりワシが自分で行くべきじゃったな。素人に頼んだワシが馬鹿じゃったわい。」
「おい、じーさん。拙僧の話を聞いてるか?」
「ああ、そうじゃな。ともかく礼はせねばな。ほれ、5ゴールドじゃ。」
「はあ!子供の駄賃じゃねーんだぞ!」
「・・・もうワシは疲れた。寝る。」
「おい!じじい!!」



元々、慈善事業ぐらいのつもりだったが、こうもあからさまにぞんざいに扱われると、腹も立つ。
店を出て行こうとする拙僧の怒ったような表情を見て、お弟子さんは拙僧を呼び止めた。

「師匠を許してやって下さい。生まれてこの方、錬金術一筋だったもんで、人との接し方に慣れていないのです。」
「拙僧は冒険者であって、ボランティアではないんだがな。」
「はい、重々承知しております。どうぞこちらをお納め下さい。」

そう言って、お弟子さんはずしりと重い小袋を拙僧に渡してくれた。
中を見ると、金貨が満杯に入っていた。
「え?こんなに?」
「いいんですよ。命がけの探検に報いることが少しはできましたでしょうか?」
「ああ、十分じゃねえの。」

あの師匠にして、この弟子あり。
師匠の分まで苦労を背負う弟子は、いつしか一人前になっていた。
・・・こういう人材育成もありなのかねえ。。
【2012/06/02 23:02 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
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