「校長、また頼まれてはもらえないだろうか?」

「またって。さっきの依頼から、まだ1時間と経ってないじゃねーか。」
「まあまあ。困っている大学関係者がいたら助けるのも校長の仕事だろ?」

「肯定も否定もしたくねーな。」
「ま、とにかくだ。今回は簡単さ。エンシルの奴から受け取ることになってた魂石を回収して欲しいんだ。奴め、急に渡すのを止めるとか言い出しやがったんだ。」
「おいおい、勘弁してくれよ。それじゃ、まるで俺が悪者じゃね~か。」
アーニエルから聞いたとおりをエンシルに告げると、彼は憤慨して言った。
「俺はアーニエルと交換条件を出してたんだ。俺が奴に魂石を渡す代わりに、奴は俺にある物を渡すってな。いつになっても準備しないのはアーニエルの方だぜ。」
「ある物って何だ?」
「杖さ。どんなものかはよく知らんし、興味もない。ただ商売相手がそれに大金を出しても良いって言ってるんだ。」

「つまり拙僧がそれを入手すれば、事は丸く収まる訳だな?」

「まあ、そういうことだ。大変だな、校長ってのも。」

「全くだ。ヤレヤレだぜ。」

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