どうも一連の事件の渦中にはアルバがいるらしい。
盗賊ギルドで磨いた錠前解除の腕を発揮して、彼女の家に忍び込んだ途端、中で待ち構えていた男に襲い掛かられた。驚いて外に飛び出した拙僧を、外まで男が追いかけてきた。
が、今度は拙僧が不意打ちを食らわした。
たまらず昏倒する男。拙僧は男が気絶している隙に、アルバの家の中へ再度侵入した。
こうなったら、強行するしかない。
アルバの家には地下があり、そこには一つの棺桶が置かれていた。
よく見ると、日記らしき物がある。
手に取った本は、やはりアルバの日記だった。
そこには恐るべき計画が記されていた。
拙僧はアルバの日記を持って、首長のところへ行った。
「アルバは吸血鬼だ。彼女がフロガーを篭絡して、昼眠っているときの護衛にすると共に、ラレッテを吸血鬼にして自分の下僕にしたらしい。ラレッテは普段アルバの家の中に潜んで姿を見せなかったから、夫ですらアルバの嘘を信じていたようだ。」
「何のためにフロガーの家を燃やしたの?」
「ここに書かれている。最近フロガーの妻が、家に戻らない夫に憤激して、アルバの事を調べようとしていたみたいだ。吸血鬼であることを知られたくないために、そして『恐るべき陰謀』を万が一にでも漏らさないために、彼女を事故に見せかけて殺すようラレッテに命じたようだ。」
「その割には派手な手段を取ったのね。」
「ああ、アルバもラレッテの取ったお粗末な手段に、日記の中で呆れていたさ。」
「で、『恐るべき陰謀』って何?」
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