拙僧はホワイトランの宿屋の親父から美人司祭の噂を聞いて、アズラの祠へとやってきた。
アズラ=デイドラ王子のひとりで、邪悪でないという珍しいお方。
美しい女性の姿をしていることから、信仰する者も少なくない。
美神に仕える美人司祭・・。
美(女)の追求に余念のない拙僧がそんな噂を聞いて放っておけるハズがあろうか、あろうはずがない!!
「よく来てくれたわ。あなたは運命の人なの。」
「へ?」
祠を訪れた拙僧は、いきなり司祭アラネアから、熱烈な歓迎を受けた。
「あなたは奪われた『アズラの星』を取り返さなければならないの。」
「いや、急にそんなこと言われても・・。」
「ウインタホールドの街で手がかりが見つかる気がするわ。行ってみて。」
「・・・。(ちょっとイッちゃってない?この方??)」
「もしアズラの為に働いてくれたら、私はあなたに全てを捧げるわ」
「やりましょう!
」
「おーい。起きろ!ネボスケ!」
「うーん。。あと5分。」
朝がめっきり弱い従者リディアを連れて、拙僧はウインターホールドへ向かった。
ウインターホールドでいろいろと聞き込みを続けたところ、この街の宿屋に長逗留しているネラカーという男がどうも事情に詳しいらしいということが分かった。
「確かによく知ってるさ。大学にいた頃の専門だったからな。」
「何で大学を辞めたんだ。」
「辞めたんじゃなくて、追放させられたんだ。研究中の事故でな。」
「事故って?」
「主研究者のメイリンという男がいたんだが、あまりに研究にのめり込みすぎて、とうとう禁断の魔法に手を染めちまいやがった。」
「禁断?」
「人の魂を捕縛して、エネルギーに変えるのさ。アズラの星は言わば、その為の道具だな。メイリンの奴、あろうことか学生の魂を次々と捕縛しやがった。大量殺人鬼さ。そんな研究がいつまでも続けられると思うかい?」
終始自虐的だったネラカーだったが、中途半端になった研究に未練があるらしく、
アズラの星が今、メイリンと共に『イリナルタの深遠』という場所にあることを教えてくれた。
そこは湖に水没した砦で死霊使いがうじゃうじゃいたが、
今や同胞団の導き手になった拙僧の敵ではなかった。
(死体とかごろごろしてて、正直不気味だったけど。。)
白骨化したメイリンと彼の躯に身に付けてあったアズラの星を、あっさりと見つけることができた。ただしアズラの星は何やら曇っており、素人目にも壊れていることが明らかだった。
いきなり司祭の下に持っていっても報酬を期待できないと踏んだ拙僧は、とりあえずネラカーの元に持ち込むことにした。専門分野らしいし、何か有効なアドバイスをくれるかもしれない。
「どないしょ~?

」
「おお!ついに見つけたか!
」
「でもコレ、壊れてね?

」
「大丈夫だ。これぐらいなら、直せる。ただしあんたの協力があれば、だが。

」
「拙僧の

」
「ああ。この星の中にはメイリンの魂が入ってる。奴め、どうやらこの中で永遠に生きる道を選んだらしい。だが、この中にいる奴の魂を仕留めることができれば、この星は再び輝きを見せるだろう。

」
「なんか嫌な気が・・・

」
「お前の魂を捕縛して中に放り込む!そんで奴を倒せ!

」
「やっぱりーーーっ!!

」
マッドサイエンティスト:Mr.ネラカーの手によって、魂をアズラの星内に放り込まれた拙僧は、
彼の「大丈夫!大丈夫!全てが終わったら戻してやるから。」
・・・という何の保証もない弁を信じるしかなかった。
中に入った拙僧は、当然のことながら、メイリンとの話し合いを紛糾させ、拳で語る羽目になった。
ま、そうなるわな。
メイリンは彼の弟子とかいうドレモラを3体も呼び出し、ファイヤーボールの集中砲火を食らって、危うく拙僧は三途の川を渡りかけた。手持ちの『回復の薬』や『魔法の薬』をほぼ全て使い切る勢いで、辛くも任務を達成した。
いや~・・・今回はもう、本当に駄目かもって思った。。。
・・気がついたら、拙僧は現世に戻っていた。
「いやー。お前のおかげで研究は完成した。この『アズラの星』は改良して、『黒き星』にしといたぞ。何の魂でも捕縛し放題だ。サービスだから気にすんな。俺はまた別の研究を始めるよ。お前のおかげでようやく前に進める。じゃあな!」
え?いや改良って?何を勝手に・・。
っていうか、魂捕縛し放題って!メイリン以上の悪じゃん、ネラカー!
呆然としつつも・・・アズラの祠へ戻った拙僧は、当然アラネアに罵声を浴びせかけられた。
「神の遺物に、何勝手な処置を施してんの!」
「取り返してきたことに変わりはないだろ?報酬くれよ。」
「あげる訳ないでしょ。クソ坊主!!」PR