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「『ネトルベイン』を取ってこられるかしら?それができれば、キナレス教は再び栄えるのだけれど。」
リバーウッドから北にあるホワイトランの街に 絶世の美人が祭司を務める教会があると噂を聞きつけたのは数日前のことだった。 拙僧は宗教の枠を超えて交流を深めようと思い立ち、 従者のファエンダルを連れて早速ホワイトランにやって来たのだった。 だが、当の『ダニカ・ピュア・スプリング』は、自分の仕えるキナレス教の為ならば 手段を厭わないサディスティックな女性だった。 彼女の教会は、昨今、巡礼者がめっきりと減り、窮乏の極みにあるという。 それは教会の目の前にあるギルダーグリーンという樹の生気が失われ、みるみるうちに枯れ始めた事に由来するらしい。すなわち聖樹の尊厳さが失われたことを知った信者たちから、信心が薄れつつあるとのこと。 ギルダーグリーンを蘇らせるには、エルダーグリームの樹液が必要だが、 エルダーグリームの幹は頑丈でそこいらの武器ではまるで歯が立たないらしい。 そこで冒頭に戻るのだが、エルダーグリームを傷つけるには、 太古の時代から存在する伝説の武器『ネトルベイン』が唯一の手段。 だがネトルベインは、現在ハグレイブンとかいう怪物が所有しており、彼女がそう簡単に手に入れることはできない。困っていた時に、いかにも屈強そうな拙僧が訪ねてきたので、渡りに船と考えたというのが本音らしい。 美人だが、底意地の悪そうな女の頼みを聞いてやるつもりは毛頭なかったはずなのに、話しているうちに、いつしか一肌脱いでやろうという気になっていた。 「魔性の女って怖いな・・・。」 ファエンダルがポツリと呟いたが、無論拙僧の耳には入っていなかった。 怪物を倒して、ネトルベインを手にした拙僧に、『今度はエルダーグリームの聖域へ行って、樹液を採って来い』とダニカはこともなげに言った。 聖域への道程は長く厳しかった。 巨人は出るわ、温泉はあるわ、覗きだと追っかけ回されるわ(真実)、女が頭目を務める盗賊の塔で成敗ついでに役得に預かるわ・・・お供のファエンダルの視線がどんどん痛くなってきたが、気にしないことにした。 ようやく辿り着いた聖域は息を呑むほど、美しい光景だった。 北の極寒の大地にありながら、まるでシロディールのように青々とした自然が広がっていた。 そして、その中心には見たこともないような巨木が立っていた。 「キズツケルコト、ユルサナイ!」 「カエッテクレ!」 「ワレラハ、キをマモリタイダケ・・・。」 「オネガイ・・・カエッテ・・・。」 振り返ると、背後に数人(匹?)の木の精霊が佇んでいた。 モゴモゴと懇願をしてきている。 拙僧は彼らの目をじっと見た。 そして・・・ ”オラァ!!” 精霊だろうが何だろうが、拙僧の道に立ち塞がるものは、何人たりとも許さない。 増してや、今の拙僧には、帰りを待っていてくれる女(ダニカ)がいるのだ。 ダニカに樹液を持ち帰ると約束した以上、拙僧は何が何でも持ち帰る・・・。 その先に何があろうと!拙僧の行動が何を引き起こそうと!! 「あら、ありがとう。本当に持って帰ってこられるなんて思いもしなかったわ。」 「いや、あんたの為なら何だって拙僧はやるさ。」 「うれしいこと、言ってくれるじゃない。これかもよろしくね・・・フフ。」 女王様と下僕の関係がここに成立した。 PR |
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