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「助けて!お願い!助けて!」 ![]() 「落ち着いて。一体どうしたと言うんです?」 雪山を移動中、突然道の向こうから走ってきた女性に助けを求められた。 ![]() 酷く慌てているようだ。 ![]() 「山賊です。私は彼らに誘拐されそうになったんだけれど、上手く逃げ出してきたの。」 「そいつらに追われてる?」 「分からない。上手く撒いたかもしれないけど。」 「とりあえず街まで送りましょう。」 「いいえ、大丈夫よ。それよりあなた達を腕の立つ冒険者と見込んでお願いです。どうかミストウオッチに行って、そこをアジトにしている山賊達を壊滅させて下さい。」 ![]() ともかくミストウオッチへとやってきた。 見張りの山賊に「身代金はどーなった?」だの訳の分からない事を言われたが、とりあえず倒した。 さてさっそく1Fに侵入。 ![]() 隠密行動をしていたにも関わらず、いきなり死角から話しかけられる。 俺ってスニーク下手だなあ。 ![]() 「良かった。奴らの仲間じゃなさそうだ。」 「あんたは?」 「俺はクリスター。行方不明の妻を捜している。方々探したんだが、まだ見つかってない。最近、ここの山賊の悪評を聞きつけてね。もしかして、と思ってやってきた。妻が行方不明になったのと、ここの山賊の評判が高くなったのは同時期なんでね。なんか胡散臭いと思ったんだ。」 「で、こんなところで何をやってる?」 「見りゃ、分かるだろ!俺は戦士じゃない。荒事には向いてないんだ。だからこれ以上、先に進めなくて困ってる。良ければ妻を捜してくれないか?」 「奥さんの名は?」 「フオラだ。きっと彼女はここにいる。そんな気がするんだ。」 ![]() 「こういうダンジョンって、結局ゴールは最上階だったりするんですよね~。」 「じゃあ、中を抜けるの止めて、いきなり裏山伝いに天辺に行ってみる?」 「ビンゴでしたね。一切の戦闘なしに、いきなりラストステージですよ。・・おっと扉に鍵がかかってるな。」 「クリスターからもらった鍵が役に立ちそうよ。」 「こそこそしている、臆病者さん。一体何の用?」 ![]() 「あんたが山賊の親玉か?・・・フオラって女性に用があるんだ。いるか?」 「フオラって・・・。どうしてその名を知ってるの?」 ![]() 「待って。知ってるんだな?やっぱりここにいるのか。」 「知ってるも何も私がフオラよ。」 ![]() 「えっ・・・・。」 「馬鹿でどうしようも無い夫との生活が嫌で逃げ出したのよ。ここにやってきて、ごろつきどもに私の実力を見せたら、すぐに従順になったわ。今やここら一帯の傭兵や腕利き共が、皆私の傘下に入りたがってる。」 ![]() 「そいつはすごいな。でも旦那さんはどうする?」 「いっそ始末して・・・いや、ダメ。別に恨みはないもの。・・・ねえ、お願い。上手く彼を言いくるめて、諦めさせてもらえないかしら?」 ![]() 「う~ん。でもどうすれば・・。」 「これを使って。」 「これは結婚指輪?」 ![]() 「そうよ。何の因果か、ずっと手放さずに持ってたの。未練なんてさらさら無いのにね。」 「・・・分かった。とりあえずやってみよう。」 帰りはミストウオッチの塔内を抜けたが、頭領の知り合いということで、山賊達は皆友好的になり、あっさりと通らせてくれた。 ![]() 「おお!待ちわびたぞ。どーだった?」 「これがあった。」 「こ、これはフオラの指輪じゃないか!?彼女は一体??」 ![]() 「探したが、姿は見当たらなかった。」 ![]() 「そうか。もうどこかに連れていかれてしまったんだな。でも生きてることには違いない。ありがとう。ヨシ、別の場所を探すことにしよう。」 ![]() ![]() クリスターが塔を出た後、死角からフオラが現れた。 ![]() 「聞き耳を立ててたのか?」 ![]() 「あなたが上手くやってくれるかどうかを見るためにね。」 「もう彼はここには来ないだろう。」 ![]() 「そのようね。ありがとう。いずれ何らかの形で恩義に報いるわ。とりあえずその指輪を報酬としてもらって頂戴。それなりの値段で売れるはずよ。」 ![]() 「本当にいいの?」 「いいのよ。縁が切れてさっぱりしてるんだもの。感謝してもし足りないぐらいだわ。」 ![]() 山賊の壊滅はならなかったけど、友好的関係は結べたし、まあいいか。 PR |
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