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【2024/03/29 04:34 】 |
059 追跡1


「おい!正気か?」
「なんでそいつを連れてきた?」
「理由を説明できるんだろうなあ?」

カーリアを伴って、盗賊ギルドに戻った拙僧を、皆が殺意剥き出しで詰問してきた。

ま、無理も無いわな。



「みんな落ち着いて。私が裏切り者じゃないという証拠があるのよ。」

そう言ってカーリアはおずおずと先代の日記を差し出した。
ブリニョルフは黙って日記を受け取ると、パラパラと捲り始めた。

「・・・何だって!?・・・・まさか、そんな・・・・・信じられん・・・。」
ブリニョルフの表情が見る見るうちに曇っていった。

「おい?何が書いてあるんだ?」
辛抱しきれずにデルビンが詰め寄る。

「メルセルの奴、ギルドの金庫からすべてのお宝を持ち出しやがったらしい。」
「信じられないね!私達の目の前で、そんな大胆なこと、どうやったらヤレルっていうのさ?」
ヴェックスは端から胡散臭い話だと思ってるらしい。疑
わしい目でカーリアを見つめている。

「確かめる方法は一つだ。金庫の中身を俺達全員でチェックするんだ。」

ブリニョルフに言われるまでも無く、それしかないだろう。
拙僧とカーリアは賛同の意を示し、ヴェックスとデルリンを説得して、彼らにも立会いを了承してもらった。



「この扉は幹部3人がそれぞれ持っている鍵が揃わないと開かないんだ。」
「だからメルセル一人で開けられるワケ・・・・」



「ええっ!」

宝物庫の中は、文句の付けようもない程、一つ残らず空にされた宝箱の山だった。



「これで決まったな。」
「ああ、メルセルの野郎が俺達全員を裏切ったってことだ。」
「くっそーー!あの野郎、今度会ったらタダじゃおかねえ!」

おーおー!
メルセルの評価は急降下。
いいねえ。



「先代を殺したのはメルセルだ。カーリアじゃねえ。」
「疑う余地はないな。目の前の光景がそれを示してる。」
「じゃ、カーリアは無罪放免だな。ギルドに復帰できるか?」
「・・・分かった。全団員には俺から話をつけとこう。」


ブリニョルフが話の分かる奴で良かった。
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【2012/04/24 23:37 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
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