「分かってるなら、さっさと行きなさい。マーラはいつもあなたを見ていますよ!」
司祭に予想通りあしらわれて、新たな命により『グジュカールの記念碑』へとやって来た。
・・・うわ。今回は幽霊ッスか?
「夫の遺体がどうしても見つからないの。軍は敵に皆殺しにされたって聞いたのに。」
「戦いって確か百年も前の話だと思うけど・・・。」
「何言ってるの!このおびただしい死体の山が見えないっていうの!?」
ハイ、見えません。
ともかくマーラの声がするので、女幽霊さんは置いといて、導かれるままに移動してみた。
いたよ。
ってか、奥さん・・・全然見当違いの場所を探してるじゃん。
山一個分は離れてるぜ。
「明日、いよいよ戦闘なんで、ここで野営してるんだ。」
あれ?奥さんの話と微妙に噛み合わないような・・・。
「妻が?妻が来ているのか?」
「なんか、アンタを探してたけど。」
「はるばる遠い故郷から来たんだ。重大事に違いない!」
「ね?拙僧の話、聞いてる?」
「こっそり抜け出して、明け方までに戻れば問題ないだろう。明日は一大決戦だからな。さっさと行くぞ。」
・・あーあ、行っちゃったよ。旦那さん。
「あなた!」
「どうしたんだ?一体何があった?」
「あなたの軍が皆殺しになったって聞いて。居ても立っても居られなかったの!」
「何を言ってるんだ?戦闘は明日だぞ。」
「確かにあなたは今、私の目の前にいるわ。」
「そうだな。我々は一緒にいる。それが重要なんだ。」
「ああ、あなた・・・私幸せだわ。」
「俺も幸せだ。ハハハハハ

」
「ウフフフフ

」
二人の幽霊は笑いながら、天へと上っていった。
えー!展開について行けなーい!!
・・・その後、拙僧はようやく司祭に働きを認められて、マーラの加護を得られるようになった。
(一応)めでたしめでたし。
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