ウインターホールド大学。
かつては魔術を学ぼうとする者たちがタムリエル中から集まった場所。
「ようこそ!ウインターホールド大学へ!!あなたはここに入学したいのかしら?」
「ああ。深窓の令嬢・・・ならぬ魔女たちとお近づきになりたくて。」
「は?」
「・・・あ、いや。魔術について、偉大な魔法使いたちと議論を交わしたくて・・・って意味さ。」
「なるほど。それは素晴らしいお考えですわ。早速入学手続きを進めましょう。」
先日、ひょんなことから手に入れた『黒き星』は、後になって相当の値打ちものだと分かった。
だが悲しいかな、拙僧には全く使いこなせる代物ではなかった。
やむなく質に入れようとした拙僧を、従者のリディアが必死になって止めたのだった。
「神の遺物ともいうべきアイテムを人手に渡すなんてとんでもないことですよ!」
「でも拙僧には使えないし・・。」
「使えるようになったらいいじゃないですか!?」
「いや、だって面倒じゃねーか。拙僧には同胞団と剣があるし。今更魔法だなんて。」
「・・・。」
「そうだよ。魔法なんてかじったこともないし。無駄なことは嫌いなんだ。無駄無駄。」
「・・・。」
「なんだよ?不服そうな顔して。」
「いえ、別に。ただ魔女との縁を袖にするのも勿体無いなー・・・って思っただけで。」
ぴく
「表世界には滅多に出ることなく、神秘の研究を続けている魔女たちは、さぞや世間ズレしてなくて、純粋無垢なんでしょーね。」
ぴくぴく
「きっと男の免疫もあまりないでしょーね。まさに深窓の令嬢

」
ぴくぴくぴく
「ちょ、ちょっと拙僧ってば魔法かじってみよーかなー。く、食わず嫌いってやっぱ良くないし。」
「・・・あら、単純ですね。」
「え、何か言った?」
「別に。ホラホラ思い立ったが吉日ですよ!魔法の聖地、ウインターホールド大学へLet's GO!」
「オマエ、拙僧を乗せるの上手くなってね?」
「気のせいですってー!やだなー

はははー

」
そんなこんなを経て、ようやく大学に入学した拙僧は、さっそくミラベルに大学中の案内をしてもらった。
「・・・最後に、ここがあなたのお部屋。」
「いきなり個室をもらえるのか?」
「ま、最高の環境で勉強してもらうのも当大学の方針よ。」
「そりゃ凄い!」
「というのは嘘。昔に比べたら生徒が減って、部屋が余ってるだけよ。じゃ、勉強頑張ってね。」
「おう。」
「荷物を置いたら、さっそく最初の授業に出るのよ。」

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