「ガンジャール!しっかりしろ、ガンジャール!死ぬなあああ!!」
レイロフの仲間がまた一人、息を引き取った。
「カイト・・ガンジャールの鎧を着てくれ。」

「え?そんな訳には・・。」

「そのボロ布で洞窟を抜けるつもりか?ひとたまりも無いぞ。」

「しかし死者の冒涜にはならないか。」

「ノルドの・・ストームクロークの考え方は違う。友の為にも利用するべきものはするんだ。その方が、ガンジャールも喜んでくれるさ。」

「・・分かった。」
俺はレイロフに手の縄を切ってもらい、ガンジャールから鎧を剥ぎ取った。
幸いなことにサイズはぴったりだった。
「よし、似合ってるぞ。斧を取れ。素振りをしといた方がいい。」
「いや、俺は魔法を使うんだ。武器はいいや。」
「へえ、魔法か。」

「あれ?なんか冷めてる?」

「いや、別に。なんつーか、一般的にノルドは、鍛えた肉体で武器を操るのを好むからな。魔法は軟弱に見えるっていうか、使わないんだよ。」

「そういう思想が浸透してるもんなんだな。勉強になるよ。」
「まあ、自分の世話が見れるんなら、それで良いさ。」
「正直自信がないなあ。戦闘訓練とか、学校であんまりやってなかったし。」
「学校って、お前学生か?」
「一応、卒業して今は研究員として働いている。」
「へえ?専攻は?」
「民俗学だよ。今はスカイリムの伝説や民話、風習なんかを研究してる。でも学校の図書館じゃ限界があるからね。こうして、現地に情報や資料の収集に出向いたって訳。」
「そうか。じゃ、こんな所で死ぬわけにはいかねーな。敵と出会ったら、俺が真っ先に切り結ぶからよ、お前さんは支援してくれ。」
「了解。」
「この塔の地下通路は、ヘルゲンの郊外へと繋がっている。何が出てくるか分からんからな。油断だけはするんじゃねーぞ。」
「OK!」

「よし、行くぜ。」

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