「イテテテ。」

「あん?どうした兄ちゃん。」
「なんだか頭がズキズキするんです。」

「大方、頭を殴られて気絶してたんだろうよ。何も覚えちゃいねえのか?」
「ええと・・・確かスカイリムの文化に直に触れたくて、研究室を飛び出して、国境を越えたところでいきなり兵士に取り囲まれて・・・あれ?そっから先は良く覚えてないなあ。」

「今は紛争がスカイリムのあちこちで起きてて、特に兵士達は神経尖らせているからなあ。不審人物がいたら片っ端から拘束しているようだぜ。」
「不審人物って俺がですか?」

「何か変なことしてなかったか?」
「変なことって・・ただ俺はこの地方特有の建築方法に感動して、砦をしげしげと・・・」

「眺めてたってのか!?国境付近で!?・・・そりゃ、傍から見たら怪しすぎるぜ。」
「そこの二人、いつまでしゃべってる!さっさと降りろ!」
俺は兵士に命ぜられるままに、馬車を降りた。
「ここは?」
「ヘルゲンだ。ツイてないな。スカイリム最初で最後の町になったな。」
「え?それってどういう・・・」
「静かにしろ!」
「おい、ブレトン。出身と名は?」
「カイトです。シロディールから来ました。」
「隊長・・・こいつはリストに載っていません。」
「リストなぞ、関係ない。死んでもらうだけよ。」

「え?」

「ついてないな・・・お前。諦めてくれ。」
「ええ!?」
俺は改めて周囲を見回した。
ここって、もしかして処刑場なのか!
「ウルフリック。ここではお前を『英雄』と呼ぶ者もいる。だが私は、声の力で王を殺し、とって代わろうとする者がそう呼ばれるのを断じて認めん!」
「ムゴゴゴ!」
「ふん。お前の反論を聞いてやる訳にもいかんな。猿轡を外すと、何を仕出かすか分かったもんじゃない。」
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