「よお、ヴェケル。一杯くれねえか。」
「長か。久しぶりだなあ。またご活躍だったみたいじゃねーか。」
「何か皆にアゴで使われてるだけのような気がするよ。」
「はっはっは。気のせい。気のせい。」
「ところで、エズバーンとかいう爺さんを探してるんだが、知らないか?」
「何っ、長もか?」
「・・・誰か他にいるんだな?拙僧同様、エズバーンを探している奴が。」
「その通り。エルフだよ。素性を隠しちゃいるが、あれはきっとサルモールに関係していやがるな。」
「そうか、分かった。助かるぜ。」
「エズバーンという爺さんは、この先の地下に篭ってる。金をたんまり前払いでもらっててな。食事を定期的に運んでるんだ。気ぃ付けなよ、長。」
「ああ。」
「侵入者だ!始末しろ!」
ラットウェイ・ウォーレンズに入った途端、黒衣のエルフ達に襲い掛かられた。
いきなりかよ!
なめんな!
拙僧は、行く手を遮るサルモールの手先共を片っ端から片付けて、エズバーンの篭っているという部屋へと急いだ。
「エズバーン!さっさと出ろ!ここに追っ手が迫ってる!」
「・・・お主は誰じゃ?」
「デルフィンからの使いだ。ええっと確か合言葉は・・・」
拙僧がデルフィンから聞いた言葉を伝えると、ようやくエズバーンは扉を開けてくれた。
本当に用心深い奴。
「せっかく来てもらった所をなんじゃが、地上に出てもどうせ死ぬだけじゃ。それなら、いっそここでワシは死のうと思う。」
「なんで駄目だって決めるんだ。やってみなくちゃ分からないだろう?」
「分かるんじゃよ。世界を滅ぼすアルドゥインが復活した。しかし、唯一対抗し得るドラゴンボーンはここ数世紀、現われとらん。もうお終いなんじゃ。」
「拙僧がドラゴンボーンだと言ったら?」
「なんじゃと?」
「拙僧はドラゴンボーンだ!グレイビアードもデルフィンも認めている。」
「それはすごい!なら、話は別じゃ。ワシをさっさとデルフィンの下へ連れて行けい!」
「現金な奴。」
PR