とある日、拙僧は夜母に呼ばれて彼女の元にやってきた。
「黒き聖餐が行われました。早速ホワイトランのキナレス聖堂に向かい、依頼人に会いなさい。」
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こうして拙僧は夜母から声がかかる度に暗殺任務をこなすようになった。
たまには新人の育成を兼ねて、部下に実行させることもあったが。
依頼は尽きることなく、一党にも活気が出てきた。
まさに一党の新時代の幕開けだ。
とある日、拙僧は一党の運営をしばらくナジルに任せて、ホワイトランに帰ってきた。
息せき切って、久しぶりの我が家に飛び込んだが、もぬけの空だった。
この時間帯なら・・・・。
「・・・やっぱりここだったか。」
「あなた!」
「ただいま。寂しかったか?」
「当たり前じゃない!新婚早々に旦那に失踪された妻の身にもなってみてよ。」
「すまんすまん。色々あってな。」
「全部話してもらうわよ。」
「大丈夫かな?結構ショッキングなこともあるぜ。」
「見損なわないで。これでもあなたの妻よ。」
「ああ、そうだったな。」
「ねえ。あなたは冒険者だし、ずっとじゃなくていいんだけど。」
「ん?」
「できるだけ傍にいてね・・。」
「・・・ああ。」
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