「そろそろ来る頃だと思っていたよ。マロ指揮官は自分の無能ぶりを露見させてしまったな。」
部屋に入ると、皇帝は予め分かっていたかのように拙僧に話しかけてきた。
「拙僧が誰だか分かっているのか?」
「闇の一党ぢゃろう。」
「では何をしに来たのかも分かっているのだな?」
「暗殺ぢゃな。」
「受け入れているのか?」
「今日死ぬことは未来視の予言で聞かされていた。運命・・と思っておる。」
「ただ一つ、願いがある。老人の最期の頼みと思って受け入れてくれんか?」
「何だ?」
「どいつかは知らんが、この老いぼれの暗殺を依頼した者を殺してもらえんか?」
「・・・約束はしない。」
「はっはっは。その答えで十分。」
では、お覚悟!
皇帝タイタス・ミード2世は死んだ。

死に際して毅然とした姿勢を貫いていたのは、流石だった。
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