「婆さん、死体に何か変わったことはないか?」
「あったよ。見てごらん。この娘の左肩から腹部まで鋭利な刃物で深く切られているのが分かるだろう?」
「ああ、正直正視できないほどにな。」

「こんなことができるのは、私が持ってるのと同じような特別製だけさ。」
「婆さん以外に、誰がそれを持ってる?」
「この街には、私の他に持ってる奴なんていないさね。」
「じゃあ、婆さんが犯人ってことか?」
「馬鹿をお言いでないよ。ただでさえ、引っ切り無しに運ばれてくる死体を解体するのに大忙しだってのに、自分から死体を増やす奴がいるもんか!」
死者の間の管理人ヘルグリッド婆さんに憤慨されたところで、拙僧はそそくさと外に出た。
さて、何か他に手がかりはないものか・・・。
ん?
・・・これは血痕か?
目を凝らしてよく見てみると、殺害現場から血痕が点々と続いている。
血痕を辿って行くと、やがて一軒の家に辿り着いた。

扉の鍵はかかっているようだが、盗賊ギルドの長である拙僧に、開けられない扉などあろうはずもない。
ん~、今回はとことん刺激があるクエストだな。。
血痕は部屋の片隅にある血まみれの宝箱にまで続いていた。
どうやら周囲の壁の様子からして、この宝箱はつい最近動かされたもののようだ。
もしかすると、死体の内臓でも中に入れて運んだのか。

・・・そう言えば、死体は所々深く抉られていたな。
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