「まずは我らと一緒に叫べ!『晴天の空』のシャウトは知ってるだろう。」
「ああ。・・ってか仕切るなよ!」
拙僧たちがシャウトをする度に、霧が晴れて、すぐさまアルドゥインが霧を復活させる・・の繰り返しが続いた。

しかし、ややへこたれそうになった何度目かに、とうとう霧は完全に晴れて戻らなくなった。
「アルドゥインが弱ってきておる証拠じゃ。」
現れたな!アルドゥイン!そろそろ決着を付けるときだな!!
オラオラオラオラぁ!!
最終決戦を存分に楽しもうぜえええ!
ぐぎゃああああああーーー!
え?
ぎゃあああああああーーーー!
ええ?まさか、断末魔ってやつ?
嘘、嘘、もう終わり?
まじかよー!大して戦ってねーのに!
期待を、拙僧の純情を返せえ!
あーあ、ラスボスが消滅していく・・・。
ばいばい。
・・あれ?いつものドラゴンのように、魂を吸収しねえな。
ま、いーか。あんまり吸い取りたくもねーし。
うおお。
アルドゥインを倒したら、夢みたいに綺麗な世界になったぞ。
「ありがとよ。ドラゴンボーン!」

「ウルフリック!」
「お前はスカイリムに平和を齎してくれた。」
「だが、拙僧は・・お前を・・。」

「後のことは生きている者に任せるさ。きっと良い世の中にしてくれる。そうだろう?」

「・・・ああ。」
「お前には世話になったな。現世もソブンガルデもお前に救われた。」
「あまり大したことはしてねーさ。(本当に。)」
「お礼に、特別なシャウトを授けよう。いつ、いかなる時もお前が呼ぶ時、英雄達がその叫びに応えて現れるだろう。」
「まじか!」
すげえ。古代の英雄を自由自在に召還することができるぞ。

昔語りの真実も本人達から聞けるし。秘術や真理も学べるし。
こりゃあ、まだまだ冒険者を辞める訳にはいかねーなー!うひょ~!
スカイリムに戻った拙僧を見知ったドラゴンたちが迎えてくれた。
今や、パーサーナックスとオダハヴィーングは、親友にして従順な拙僧の下僕だ。
彼らによれば、その他の大半のドラゴンはアルドゥインの抑圧から解放されたことを喜んでいるらしい。

だが、不満に思うものも少なからずいるそうだ。
「まだまだスカイリムは荒れるぜ。アルドゥインという大物がいなくなって、統制の利かなくなった小物共がうじゃうじゃと暴れ始めるだろう。お前は余計に混乱の種を蒔いただけかもしれん。」

「・・かと言って、止まる訳にはいかないさ。前進するのみだ。」
そう、拙僧の戦いは今後も続く。
だが、今は・・・
「ただいま。」

「お帰りなさい、あなた。ごはんにする?お風呂にする?それとも・・・?」
今は・・・まずは、訪れた平和を妻と共に分かち合いたい。
冒険の続きはその後だ。
<完?>
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