すすっ・・・
(ん?光?)
ひでぶっ!
ううっ
ばたっ・・・・
突然のことに考える余地などあろうはずもない。
イヴァルステッドに住む物乞いナルフィは、眼前に現れた光を認識するや否や、炎に包まれてあっさりと逝った。
盗賊ギルドで身につけた技術や、デイドラ王女のノクターナルから手に入れた透明化スキルを駆使できる拙僧は、その気になれば標的に気付かれず至近に接近することが可能である。
拙僧はナジルから3人の標的を抹殺するという初任務を請け負った。
1人目の犠牲者が彼だったという訳だ。
ナジルからは暗殺の手段は問わないと言われている。
拙僧の裁量に任されている訳だ。
「ベイティルド?」
「ええ、そうだけど。あなたは?」
「拙僧は闇の一党の者だ。私怨はないが、あんたの命をもらい受けに来た。」
「はっ!そう易々といくもんですか!」
「死にさらせぇ!」
「ふっ・・・。衛兵や街の者達がお前に注目しているぞ。」
「うるさい!避けてばっかりいないで、とっとと私の手にかかりな!」
・・・警告だったんだがな。
これで拙僧は正当防衛を主張できるぞっと!
ぎゃあああああーーー!
2人目の標的はドーンスターの鉱山オーナー、ベイティルドだった。
さすが女手一つで、鉱山労働者を束ねていただけのことはあり、肝の据わった人物だった。
やや単細胞な部分はあったが、最早この世で非難されることはない。
3人目の標的は、とあるキャンプに住むエノディウス。
人里から離れた場所で野宿する彼に注意を払うものはいない。
拙僧は彼をひっそりと手にかけた。
これで任務完了だ。
聖域へと戻った拙僧は、メンバーの大半が広場に集まっているのに気付いた。
輪の中心には巨大な箱を従えた道化師風の男が一人。
(どこかで見たような・・・。)
「いい所に帰ってきたわね。」
拙僧の姿を確認して、アストリッドが呼びかけてきた。
「あなたに任せたいヤマがあるの。でも、まずはナジルに初任務の成果を報告してらっしゃい。」
「良くやった!やはりお前は見込んだ通りの男だ。」
ナジルは拙僧からの報告を受けて、手を叩いて絶賛した。
「そんなに凄いか?任務中は、あまり難しくは感じなかったが。。」
「それだけあんたが優れてるってことさ。これからも励んでくれ!」
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