俺と先輩は女性の遺体を発見した後も、しばらく室内の捜索を続けた。
「先輩、日記らしきものがありましたよ。」

「私もさっき向こうの部屋で見つけたわ。」
「何か手がかりが載ってるかもしれませんね。見てみましょう。」
「どうやら4人家族のようですね。夫婦に息子、娘の構成で。」




「最近、この灯台を購入して引っ越してきたのね。家として使っていたんだわ。」

「しばらくは幸せに暮らしていたようですね。」
「旦那さんは、死んだら灯台の火に遺骨をくべて欲しいって。相当ここが気に入ったのね。」

「・・・地下に問題があったようです。」
「こっちの日記にも書かれているわ。カリカリと音がするようになったって。」
「事件は、スキーヴァー退治用に旦那さんが罠を買いに行っている間に起こったみたいです。」
「あっちで亡くなっているのは奥さんね。ラマティって言うんだわ。可哀想に。」
「旦那さんが帰宅して、シャウラスを倒したのね。」
「子供達も旦那さんも地下にいるんでしょうか?」
「そうかもね。」
「ここを見てください!地下に通じる扉の鍵の複製が暖炉の上の小物入れに入っているようですよ。」

「それを使って、私達も地下に下りてみましょう。」
「夥しい血が・・・あ、シャウラスがいます!」
「倒すわよ!」
どっせーい!
地下室を闊歩していたシャウラスを退治した後、俺達は更なる地底へと通じる大きな横穴を見つけた。
「灯台の地下にこんなものが・・。」
「どこに通じているのかしらね。どうやらシャウラスはここから湧いて出たようだけど。」
「残りの家族も見当たりませんね。大量の血の跡もあるし、もしかすると・・・」
「最悪の事態も想定した方が良さそうね。先へ進むのに、私達も心しておきましょう。」
中を進むと、そこはシャウラスやファルメルの巣窟であることが分かった。
とんでもない場所に家族は引っ越してきていたのだ。
ほどなくして、俺達は女性の遺体を発見した。
「・・・・。」
「娘さんのようですね。あれ?手紙が落ちています。」
「・・ひどい。」
「旦那さんも息子さんも捕まったようですね。旦那さんはどこかに連れていかれたようだし、息子さんは自害したようです。」
「せめて旦那さんだけでも助けられたらいいのだけれど。」
俺達はさらに地底へと進んだ。
至る所にシャウラスの卵が産み付けられていた。
これがすべて孵ったらと思うと、寒気がした。
「薄気味悪い光景ね。」
「地獄さながらですね。」
最後に辿りついた地底湖で、超大型のシャウラスが男性の遺体をかじっているのを見つけた。
「この野郎!」
俺と先輩は、隙をついて巨大シャウラスを倒した。
残念ながら、最後の希望だった旦那さんも、無残な姿で発見した。
「・・・せめて彼の希望通り、灯台の火に遺骨をくべてあげましょう。」
旦那さんの遺体が身につけていた鍵を使用すると、灯台の上階に通じる扉が開いた。
「せめて安らかに眠ってください。」
俺と先輩はいつまでもそう祈った。
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