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董清「屯田制とな。それは何だ?」
蘭宝玉「古くは武帝の時代に進められた政策です。兵士に新しく耕地を開墾させ、平時は農業を行って自らを養い、戦時には軍隊に従事させます。兵士自身に食い扶持を用意させるようなものですから、兵糧が枯渇する心配がなく、むしろ兵士を増やせば増やすほど農地は拡大し兵糧が多くなります。」 董清「兵力の補充は最終段階であると思っていたが、そういうことなら優先事項とした方が良いかもな。」 蘭宝玉「御意のままに。ただし徒な兵の増強は周辺に緊張を生みます。時機を見る必要はあるかと。」 董清「良かろう。では差配は任せる。よろしく頼むぞ。」 大鍛冶場が完成した。能吏の蘭宝玉が製造主任として携われば、一度に8千人分もの武器が確保できる計算である。上庸の兵達には様々な武器の中でも特に弩の扱いに長けている者が多く、必然として弩の製造を中心に行っていく方針が示されている。すでに鍛冶場には高い報酬に応じて専門の職人が近隣諸国より集められており、資材の調達待ちの状態となっている。 平行して行われていた春風主導の農地開拓も一段落し、品種改良により更なる生産効率の高い農地へと改良する試みが次月には成される予定だ。試験場の確保の為、耕作面積は一時的に半減するが、試験が完了すれば残り半分の土地も農地として活用されることになっている。 現在指導する幹部の人不足が悩みの種で、元鍛冶場だった空き地に兵舎が建設される予定だったのだが、監督者不在につき10日ほど放置されるという事態が発生した。董清はこのことに激怒し、現在上庸の幹部は単騎で各建設地の指導に当たることになっている。二人以上で一つの現場に当たる方が早いのだが、背に腹は変えられぬという判断により強行された。林玲などは慣れぬ市場改革に悪戦苦闘するも不平をこぼさず黙々と業務に当たっている。この頃の董清は為政者としての欠点も多く、過酷な指示を部下に強いていたのだが、奇跡的に上庸幹部が彼の下で纏まっていたのは、人材がまだまだ少なく董家に古くから仕える者たちばかりだったからという皮肉所以であった。 PR |
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