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【2024/04/25 14:50 】 |
華燭の典
安定の獄に繋がれたはずの青年の姿はなかった。折しも先刻まではそこにいた事の証として、彼の匂いがしている。牢番に尋ねると、釈放されたという。尚も言い募ろうとする牢番の言葉を皆まで聞かず、魯蓮はそこを飛び出した。
 一刻も早く彼に会いたい。そして詫びたかった。忘れていた事を。悲しい想いをさせてしまったことを。だから城の高台で一人佇む彼の姿を見たとき、思わず魯蓮は走りよって、彼の胸に飛び込んでいた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・。」

 馬超は泣きじゃくるばかりで謝罪の言葉以外口にしない彼女に、最初は戸惑っていたものの、ふっと微笑んで彼女をそっと抱きしめた。
「もういいよ。」
 彼女が記憶を取り戻したことは、父からの便りで聞いていた。父は董清と直に話をして、彼の器の大きさに感じ入るものがあったようだ。過去の因縁はきっぱり洗い流して、一つの旗の下で働くことを誓ったそうだ。馬一族や部下たちも続々と馬騰に続いて梁軍入りを表明しているらしい。元々梁軍は無益な殺生を拒まず、善政を敷き民の評判も高い。為政者とそれを支える将軍・軍師の噂は隣国にも鳴り響いていた。そして何より梁には桂之がいる。最早馬超に梁を拒む理由はなかった。

 
 数日後、馬超と魯蓮はささやかながら結婚披露をしていた。
 再会してすぐな為性急すぎるように見えるが、彼らにしてみればもう何年も待ったのだ。遅いぐらいだった。
「それではさっそく馬超、魯蓮両名の婚礼の儀を執り行いましょう。」


 
 馬一族と梁軍の官僚諸将が共に新夫婦を盛大に祝った。馬騰軍と梁軍が真に一体となったことを象徴するような式典だった。

 
 新しい未来が待っている。長い確執を経て、西涼に明るい希望が差した一日となった。 
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【2014/06/14 00:21 】 | 三國志 | 有り難いご意見(0)
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