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【2024/04/27 08:43 】 |
激化!洛陽攻防戦

安定は董清の目論見どおり、あっさりと陥落した。董清が投石機を前面に押し出して威圧しただけで、最早これまでと悟った一部の城兵が降伏の意思を示し、深夜こっそりと城門を開いたのである。一気になだれ込んだ董清軍に対して状況把握のできていなかった成公英が捕縛され、程銀ら他の将は武威へと逃亡した。安定城攻略を賀して、内外より反旗を翻した地元の豪族の謁見を一つ一つこなして、解放されたのは夜半のことであった。
「お疲れ様です。慣れぬことをされましたね。」
「ふん、顔を売れ、名を売れと唆したのはそなただろう。」
「確かにそうですが、小物相手ににこやかな笑顔を見せるあなた様を見てると、笑いを堪えるのがもう苦しくて苦しくて・・。」
この後、憮然とした董清を宥めるのに、福貴は半日以上も費やす事になる。

安定を攻略後、犠牲の全くなかった董清軍にあっては、すぐにでも武威攻略に向かおうとする意見も少なからずあったが、戦乱により悪化した安定城下の治安を放置する訳にもいかず、しばらくはここ安定で基盤を固める事になった。何より現状の兵糧では馬騰軍の本拠を陥落させるにはやや心許なく、天水方面には内政が一段落したら輸送するように伝えてある。それまではしばらくここ安定に腰を落ち着けて、地道に内政を行うことになるであろう。

 
「政令の整備ですか。」
「そう。治安の乱れは民に不安を齎します。それは梁王や董清様の望むところに非ず。その為には政の仕組みを根本から見直さねばなりませぬ。」
「しかし、我らにその大任が務まるかどうか。如何せん、我等は学問ばかりの青瓢箪揃いですから。政のまの字も知りませぬ。」
「黄権殿、あなたは何か心得違いをしているようですね。私はお願いをしているのではありませんよ。・・と、皆まで言わせないで下さい。」
「・・・御意。」
「答えに否はありませぬ。できぬかできないかではなく、やるのです。そこの二人も分かってますね!」
「ひっ。」
「は、はひぃ!」
蛇ににらまれた蛙の如く、賈逵も張春華も縮みあがった。そしてコクコクと首肯を繰り返す。
数々の技術開発を成し遂げてきた3主任研究員の功績は既に相当なものである。だが彼らにその自覚も驕りも全くない。すべては黒軍師の巧みな人身掌握術によるものだが、実情を知るものはいくら地位と名誉を与えられるとしても、誰も彼らに取って代わりたいとは思わないであろう。

 
安定、漢中、上庸で奇しくも同時期に市中取締が行われた。小悪党の捕縛やら、揉め事の仲裁やらが行われ、民の満足度は高い水準で保たれることになった。元々董清が各地に治安を最高水準に保つよう配下に命じてあることもあって、董清が掌握している都市では開発や軍事行動よりもまず治安維持が優先されているのだった。上庸では実験装置として使用している石壁の耐久力にそろそろ限界が近付いている。一度壊して、再建設する必要があるが、その間研究が止まってしまうのがやや残念であった。

天水で農場開発、安定で市場開発、漢中で市中警邏、董清軍は東の動きと対照的に地味な日々が続いている。武威に篭る馬騰軍は戦戦恐恐とした日々を送っているが、特に兵卒に至っては突如訪れた平穏の日々に逆に耐え切れず発狂しそうになる者も現れた。西涼討伐に赴いた董清の意図は明らかであり、残すところ武威1群となった馬騰軍の命運は風前の灯だったからだ。いっそ楽になりたいと願う者が現れたとて、不思議ではない。

 
周信と白宗の研究記録を元に次なる研究テーマが決まった。もともと上庸から送られてくるデータ量が膨大な為、それらを捌く新野研究員達も休み暇がほとんどない。常に何かを研究しているという状態で、荊北同盟の技術の発展速度は他の勢力からすれば目を見張るものであった。特に黄権ら主任研究員の功績は凄まじく、ゆくゆくは高い地位に叙せられるとの専らの噂である。ただ彼らに言わせれば「地位や名誉よりも休みが欲しい。」とのことであるが。

 
「洛陽西方地帯での激戦が始まったようね。大丈夫かしら。」
今回の古都攻略戦には蘭宝玉は指図を一切出していない。後進を育てると言う意味でも、全面的に周信に指揮を任せている。蘭宝玉は趣味、もとい軍底上げの為に新野の技術開発と上庸の応用実験遂行に精力を注いでいた。西側の攻撃、東側からの攻撃ともにそれなりの兵を注ぎ込んでいる様子だ。更に後方からは輜重隊を送り込んでおり、兵站も万全である。さすが周信というところだろう。さて西側の方ではお返しとばかりに曹操軍も火攻めを敢行したようだ。あおりを食って張繍隊が混乱したようである。

 
洛陽西部戦線はまさに総力戦となっていた。戦場の各所で炎が上がり、大勢の人が得物を手にして戦っている。そして炎に包まれながらも、兄の命令を悠々と待つ紀横の胆力は相当なものであろう。曹操軍は火球を転がし、いくつかの部隊は被害を蒙ったようである。


「不要部分の解体がようやく終了したわね。」
「解体というより燃やしただけですが・・。火ぃまだ残ってるし。」
先日より、上庸の実験施設の省スペース化の為、春風と張魯は約5千程度の兵を引き連れて、不要部分の破壊に取り掛かっていた。最も肝心な宛との陸路の往来を塞いでいた部分の取り壊しを終えて、ようやく人心地が付いたところである。
「後は核となる中央部分の再建設だね。」
「はい。ですがその前にいい加減、目の前の火を消しません?」
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【2014/05/31 18:03 】 | 三國志 | 有り難いご意見(0)
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