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【2024/04/20 11:55 】 |
漢中に集結せよ
 
天水所属の武将は太守・成公英を除けば、成宜のみであり、彼は陽平関に釘付けになっている。天水には実に2万もの兵が駐屯しているが、指揮を取れるものが成公英だけではその力は半減以下であろう。


一方、陽平関には捕虜同然の将が10人もいて、その中には最近仲間入りを果たしたばかりの馬雲緑もいる。いくら策略に嵌ったとは言え、兵站を顧みず幾重にも無謀な進攻を繰り返したことは愚かとしか言いようがない。
来週には大和と鬼龍兄弟及び魯蓮、その翌週には総帥の董清と妻・福貴が到着する。進攻ルートは今のところ漢中より西の桟道ルートを取る予定だ。あくまで成宜には陽平関に注意を向けさせておき、天水の救援に向かえないようにしたい。長安を曹操軍から奪取して以来、増長を続けてきた馬騰軍にとって悪夢のような日々があと一ヶ月ほどで始まる。


大和、鬼龍、魯蓮達第一陣が漢中入りを果たした。鬼龍は早速、矢継ぎ早に指示を出し始めた。来週董清が漢中入りを果たす迄には、戦支度を終えておきたかった。上庸からは林玲率いる輜重隊があと数里という所にまで迫っているとの報が入った。久しぶりの再会を寿いで酒宴を催すのもいいかもしれない。


 漢中に福貴と共に到着した董清は早速兵の鍛錬を直接行うことにした。檄を飛ばしながら、部隊連携の指揮を取っていると、大和、鬼龍兄弟と大きな包みを抱えてやってきた。
「何だ、それは?」
「南陽公からの頂戴物です。まあ、まずはご覧下され。」
 鬼龍は包んでいた布から中の物を取り出して、董清に見せた。
「ふむ・・・方天画戟か。懐かしいな。」
「お察しの通り、呂将軍の得物として有名です。ただ添え状によるとこれは武威の職人が作った別物のようですが。」
「真偽はともかく中々の業物だな。だが俺は戟の扱いは少々不得手だ。お前達が使うか?」
「俺達もどっちかというと得意分野じゃありませんや。」
「ではどうする?蔵で眠らせておくのは惜しいな。」
「あいにく我が軍の武将は弩の扱いに特化している者は大勢おりますが、戟となると・・・おっと一人いましたな。」
「誰だ?」
「魯蓮殿です。以前稽古中に仕合ったことがあるのですが、彼女の戟の腕は中々のものでした。」
「良いだろう。では宅に運んでおけ。」
「それにしても彼女は一体何者なんでしょうねえ・・?」


 ある日、魯蓮が漢中内に与えられた彼女の家に巨大な戟が竹簡と共に置かれていた。竹簡には『やる 董』としか書かれていない。


 到底女性への贈り物としてふさわしくない代物を見ながら魯蓮はくすりと笑った。『英雄色を好む』を地で行く董清だが、さすがに魯蓮に手を出す気はないらしいことがこの品を見てもよく分かる。面と向かって口説かれたことはまだない。趙雄の下からやってきた客将であることに加え、福貴や蘭宝玉の厳しい監視があるので行動に移せないだけかもしれないが。
 魯蓮が何気なく卓の上に置かれた方天画戟を握ると、突如彼女の体に電撃が駆け抜けたような錯覚に陥った。
(この感触に覚え・・・が・・ある?)
 おそらく方天画戟そのものではないが、これと似たような業物を自分は扱っていたのではないか?まるで兄弟の親近さに触れるような思いで、魯蓮は方天画戟を軽々と振り回した。

 
霹靂車の開発が江州の地にて始まった。巨石を広範囲に放てる兵器開発に成功すれば、攻城の際に大きな力になることは間違いない。報告を聞いて、董清は満足そうに頷いた。上手く行っても完成まで3ヶ月超かかるとのことだが、天水攻略に間に合うかどうか。漢中の兵は今や質量共に満ち満ちて充実している。董清の号令がかかるのは間もなくのことである。

 
永安での開発に目処が付きつつある。市場と農場の開発の陣頭指揮を執る前に、蘭宝玉は手の空いた者達に対し、上庸へと向かうよう指示を出した。現在研究中の霹靂の大実験場を上庸に建築しようと考えている。そこで行われる実験の数々が今後の我が軍の様々な研究に良い効果を与えることは間違いないだろう。

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【2014/05/02 09:37 】 | 三國志 | 有り難いご意見(0)
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