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【2024/03/29 14:29 】 |
003 解放3


「祭司、この者達に最後の祈りを。」
「・・分かりました。八大神はあなたがたを優しく見守っています。・・・」



「あーあー!タロスの愛にかけて。さっさと処刑を始めろって。」

祭司が祈りを始めた途端、俺と同様に列に並んでいた男が不満げに前に進み出た。

タロスと言えば、第2期の末にタムリエルを統一した帝国の皇帝が神格化されたものだったはず。
先の白金協定により、帝国内では信仰が禁じられている。
皇帝がスカイリム出身だったこともあって、この地ではタロス信仰を禁じた帝国に不満を持つものが少なからずいると聞く。それどころか、内乱の火種さえ燻っているとも。



「さっさと死にたいってわけ?・・・なら喜んで。」

帝国の女隊長は、進み出た男を足蹴にして、断頭台へと強引に寝かしつけた。



「おい、嘘だろ・・・マジかよ。」

俺の目の前で、あっさりと人が死んだ。
その衝撃に思考がまだ追いついてこない。

「次、そこのブレトン!」



え?え?
俺は帝国兵に両脇をかけられ、ついさっき男が首を切り落とされた断頭台まで連れてこられた。



視界が傾いた。
上半身を先の男のように、倒されたのだ。

今わの際になって、冷静に分析している自分に驚く。
俺はまだ他人事のように感じているのか。



首切り人が斧を振り上げ始めた。
あの斧が、あと半回転もすれば俺の首と胴は離れ離れになる。

ああ、研究漬けの人生だったな・・。
恋人でも作っときゃ良かった。

ギャ~~~~~~ス

突如、血も凍りつくような咆哮が響き渡った。

「あれは何だ!」
「でかいぞ!」

周囲の者達も咆哮の主に気を取られて、進行中の処刑など忘れているようだ。




おいおい、処刑人さん。
あんたは何故、そんなに職務に忠実なんだ!?
斧を振り上げるのなんか止めて、後ろを見ろって!後ろ!



塔の上に止まったドラゴンが再び咆哮したかと思うと、処刑人を初め、大勢の人間が吹き飛ばされた。
いみじくも地に伏せる格好になっていた俺には被害は無い。

今のは・・衝撃波!?

次の咆哮が、今度は炎を伴っていたのを幾人かが認識するのとほぼ同時に、ヘルゲンは地獄絵図と化した。



「おい、兄ちゃん。逃げろ!今がチャンスだ。神様だって、そう何度も機会はくれないと思うぜ。」

周りを見渡すと、先程気さくに話しかけてきたノルドの男が手招きをしている。
俺は必死に彼の後を追った。



「こっちだ、兄ちゃん。ここに入れ!」

男は塔の中へと入っていく。
俺も後に続いた。
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【2012/08/25 11:03 】 | 伝承の旅 | 有り難いご意見(0)
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