別棟に入ると、すぐ近くの部屋から大声で話している高官と情報屋の話が聞こえてきた。
どうもサルモールが探している爺さんがいて、彼の行方を知っているという囚人が現在、地下牢にいるらしい。
話が終わると、高官も情報屋も部屋を出て行った。
入れ替わりに忍び込んだ拙僧は、高官の事務机から調査報告書を入手した。
ふむふむ。どうやらサルモールもまた、ドラゴンに関することはよく分かっていないらしい。
地下では、すでに相当痛めつけられている様子の男が繋がれていた。
拙僧が来たのを、また尋問官がやって来たのとを勘違いして、命乞いをしている。
「お願いだ。助けてくれ。もう全部話したよ。」
「もう一度聞かせてくれ。」
「あんた等の探している爺さんは、おそらくリフテンにいるんだ。あんた等の言う条件と容姿が似ているからだ。」
近くにはサルモールが書きとめたであろう、例の爺さんに関する報告書が無造作に置いてあった。
その爺さんとやらは、エズバーンという名でデルフィンと同じくブレイズの生き残りらしい。

サルモールは、エズバーンがドラゴンに関する情報を握っていると考えているようだ。
エズバーンに関する報告書を読んでいると、マルボーンが連行されてきたので助けた。
内通していたのがバレたらしい。
「ふん、忌々しいことだ。一生サルモールに追い掛け回されるのかと思うと、気が沈むぜ。あんたの手助けをしたことに、それだけの価値があればいいんだがな。」
拙僧は囚人達と共に脱走することにした。
幸い、地下道を通れば、上に戻らずに逃げることが可能のようだ。
やった!外だ!自由だ!
地下道を抜けた瞬間、囚人たちは勝手にどこかへと走り去った。

くそお、恩知らずな奴らめ。拙僧に何の挨拶もなしかよ。
「何ですって!エズバーンが生きてる!とっくに死んでるのかと思ってた。」
「あんた同様、ブレイズらしいな。」
「私は戦闘担当。彼は・・生きる辞書ね。情報担当だったから、確かに彼ならドラゴンに関する知識を持ってても不思議じゃない。サルモールよりも先に見つけ出さなきゃ!」
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