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【2024/04/19 19:44 】 |
190 声の道


真面目に7千階段なんか上ってられるかっツーの。
ハイヨー!シャドウメアー!!

拙僧はかなりの間、放ったらかしにしていたバルグルーフの指示通り、ハイ・フロスガー寺院へと向かっていた。



途中、巡礼者を名乗る女と出会った。
物好きもいるもんだ。



おい、シャドウメア・・。いつの間にか雲が下に見えるぜ。



やっと、着いたー!
さあて、グレイビアードとやらに会って、さくっと技を伝授してもらおうかね。



「他人の家に勝手に上がり込んでんじゃねーぞ、オラア!」

えええーー!?

・・・いきなり、グレイビアードに喧嘩売られた。



「お、どーしたんよ?アーンちゃん?」
「どーしたもこーしたもねーよ。こいつが勝手に土足で寺院に上がりこんでるもんよ~。」
「ああん?何者だ、てめえ?」

拙僧が一人のグレイビアードと睨み合ってると、仲間がぞろぞろやってきやがった。
しかも揃いも揃って柄が悪いと来たもんだ。



お前ら、ごちゃごちゃ、うるせーんだよ!

因縁を付けてきたグレイビアード達が鬱陶しくなり、思わずシャウトをぶつけてしまった。
ちょっとやりすぎ・・たかな?



「てめえ、何してんだよ、おおう!?」
「ナメてんじゃねーぞ!」



・・うわ、余計雰囲気悪くなった。



か~~~っ



ぺっ!



うわ、汚ねっ!
・・・こいつ、唾飛ばしてきやがった!



「上等だ、表出な!」

そう言って、グレイビアードはたちまち姿を消した。



さすがに唾まで吐かれて、黙っていられるほど、拙僧も人間が出来ちゃいない。
売られた喧嘩は買ってやろうじゃありませんか!

勇んで中庭に出た拙僧を、グレイビアード達が取り囲んだ。

「おう、拙僧一人に全員でかかってくる訳か。それぐらいでなくちゃ勝てるわけねーよな。さすがグレイビアード、ちゃんと実力差が分かるようだな。」
「・・・駆けっこだ。」
「・・・へ?」
「駆けっこで勝負だ!」
「・・・はあ?駆けっこだとぉ?子どもじゃあるめーし。」
「ふん!自信がないのか?」
「分かったよ!やってやるよ!」
「ふん、ハンディやるぜ。シャウト使ってもいーぜ。」



「ふん、じゃ、お構いなく!」

そう言って拙僧は吼えた。疾風のごとく、拙僧の体が凄まじい速さで移動する。



「余裕勝ち~!」

グレイビアードに圧倒的に差を付けて、拙僧はゴールに辿りついた。



「ちょっとぐらい速いからって、調子乗ってんじゃねーぞ!」
「別に乗ってねーよ。」
「そのどや顔がムカツクんだよ!」
「どーしろって言うんだよ!」
「・・・なら今度は、角笛を探してきな。それをここへ持ってきたら、実力を認めてやんよ!」

こうして拙僧はグレイビアード達と、一切折り合わないまま、ハイ・フロスガー寺院を後にした。
くそっ。
世間から隔絶された暮らしを送ってるだけあって、人付き合いってもんがなってねーぜ、アイツラ。



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【2012/08/06 21:36 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
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