真面目に7千階段なんか上ってられるかっツーの。

ハイヨー!シャドウメアー!!
拙僧はかなりの間、放ったらかしにしていたバルグルーフの指示通り、ハイ・フロスガー寺院へと向かっていた。
途中、巡礼者を名乗る女と出会った。
物好きもいるもんだ。
おい、シャドウメア・・。いつの間にか雲が下に見えるぜ。
やっと、着いたー!

さあて、グレイビアードとやらに会って、さくっと技を伝授してもらおうかね。
「他人の家に勝手に上がり込んでんじゃねーぞ、オラア!」
えええーー!?
・・・いきなり、グレイビアードに喧嘩売られた。
「お、どーしたんよ?アーンちゃん?」

「どーしたもこーしたもねーよ。こいつが勝手に土足で寺院に上がりこんでるもんよ~。」

「ああん?何者だ、てめえ?」
拙僧が一人のグレイビアードと睨み合ってると、仲間がぞろぞろやってきやがった。
しかも揃いも揃って柄が悪いと来たもんだ。
お前ら、ごちゃごちゃ、うるせーんだよ!
因縁を付けてきたグレイビアード達が鬱陶しくなり、思わずシャウトをぶつけてしまった。

ちょっとやりすぎ・・たかな?
「てめえ、何してんだよ、おおう!?」
「ナメてんじゃねーぞ!」
・・うわ、余計雰囲気悪くなった。
か~~~っ
ぺっ!
うわ、汚ねっ!
・・・こいつ、唾飛ばしてきやがった!
「上等だ、表出な!」
そう言って、グレイビアードはたちまち姿を消した。
さすがに唾まで吐かれて、黙っていられるほど、拙僧も人間が出来ちゃいない。
売られた喧嘩は買ってやろうじゃありませんか!
勇んで中庭に出た拙僧を、グレイビアード達が取り囲んだ。
「おう、拙僧一人に全員でかかってくる訳か。それぐらいでなくちゃ勝てるわけねーよな。さすがグレイビアード、ちゃんと実力差が分かるようだな。」
「・・・駆けっこだ。」
「・・・へ?」
「駆けっこで勝負だ!」
「・・・はあ?駆けっこだとぉ?子どもじゃあるめーし。」
「ふん!自信がないのか?」
「分かったよ!やってやるよ!」
「ふん、ハンディやるぜ。シャウト使ってもいーぜ。」
「ふん、じゃ、お構いなく!」
そう言って拙僧は吼えた。疾風のごとく、拙僧の体が凄まじい速さで移動する。

「余裕勝ち~!」
グレイビアードに圧倒的に差を付けて、拙僧はゴールに辿りついた。
「ちょっとぐらい速いからって、調子乗ってんじゃねーぞ!」

「別に乗ってねーよ。」

「そのどや顔がムカツクんだよ!」
「どーしろって言うんだよ!」
「・・・なら今度は、角笛を探してきな。それをここへ持ってきたら、実力を認めてやんよ!」
こうして拙僧はグレイビアード達と、一切折り合わないまま、ハイ・フロスガー寺院を後にした。
くそっ。

世間から隔絶された暮らしを送ってるだけあって、人付き合いってもんがなってねーぜ、アイツラ。
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