甘い新婚生活をスタートして間もなく、ウインターホールド大学より召集がかかった。

どうも大学内外でゴタゴタが多発しているらしい。
大学に戻った拙僧に、まず相談を持ちかけてきたのは、かつての同級生オンマンドだった。
「エンシルにさあ、先祖伝来のアミュレットを売ってしまったんだよねえ。取り返してくんない?」

「お前さ、その程度の事は自分でやれよ。」

「駄目だよ。俺が言ったって相手にしないのがオチさ。」
交渉の一つも出来ないとは・・情けない。
「おお、校長。何か御用ですかな?」
「その通りだ。オンマンドから杖を買ったんだろう?返してやれよ。半ベソ掻いてたぞ。ホレ、金だ。」
「他でもない校長の頼みだ。・・分かりました。お返ししましょう。」
「ホレ!杖だ。」
「ありがとう。恩に着るよ。」
「一身に魔法研究に打ち込むのもいいが、もう少し世間慣れしてもらわないと困るな。」
「ああ、そうだな。・・・良かったらあんたの旅に同行させて貰えないか?」

「駄目!」

「駄目って何で?」
「拙僧は男連れの旅なんて嫌なの!」PR