「おい、ちょっと止まれ!」
敵が伝令の中継点に使っている宿で張り込みを始めて間もなく、ストームクローク兵がやってくるのに気付いた。身軽な格好からして、伝令に違いない。
嘘ぉ!止まってくれた。
「止まれ!」って敵に言われて止まるなんて・・・こいつよっぽど腕に自信があるのか、お馬鹿さんってとこか。
どっちにしろ、拙僧相手に適うはずもあるまい。
敵伝令の書類GETだぜえええい!!
「よくやったわ。さすがね。」
「で、どんな情報だ。」
「敵の砦の守備部隊が増援を求めているわ。救援させては駄目ね。」
「どうする?」
「見当違いの方に兵を送らせましょう。後で砦の危機に気付いても、駆けつけるまでに相当時間がかかるわ。」
「・・・かくかくしかじかです。」
「よく報告してくれた。敵の網を掻い潜っての伝令に感謝する。」
拙僧は敵伝令から書状と共に奪い取ったストームクロークの甲冑を身につけて、ドーンスターに駐屯する敵部隊の将軍に偽の書状を届けるのに成功した。
「上手いわ。これで前線を一歩前に進ませることが出来る。ペイル地方を押さえるまでもう少しよ。」
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