「ほう、テュリウス将軍からの伝令か。して、用向きは何だ?」
「将軍から書状を預かってきた。直接、首長に渡すよう言われている。」
「どれ、渡してもらおうか。」
ウルフリック率いるストームクロークがホワイトランを陥落させようと、まさに動き出さんとしている。帝国軍は兵を供出する。手を携え、ホワイトランを守ろうではないか。互いの為に。
「なるほど。戦争になるわけか。だが、私はその前にウルフリックに真意を問い質したい。伝令よ。このままウインドヘルムに行き、この斧をウルフリックに渡してくれ。」

「斧を?」
「ああ、そうだ。ノルドに古くから伝わる伝統だ。ノルドの男が男に斧を渡すとき、斧を受け取れば、まだ和平の余地ありということだ。逆に斧を返せば、戦うしかないという意思表示になる。」
「帝国兵である拙僧が行って、会ってくれると思うか?」
「ウルフリックはノルドの伝統は重んじるはずだ。会うだろう。」
「敵の根拠地に単身やってくるとは、勇敢な戦士だな。」

「バルグルーフからあんたはノルドの伝統を重んじる男だと聞いた。」
「それを知っていても、臆病な奴なら来れないさ。確かにお前は勇敢だよ。だが、愚かだ。お前もノルドなら、我々の側に付くべきだったのに。」
「お前の主義主張は通じんさ。拙僧は、ただ愛する女の涙を見たくないだけだ。」
「それもまた立派な理由ではあるか。よし、お前にはこの斧を持ち主に返してもらおう。」
「戦争・・というわけか。」
「ああ、俺にも引けない理由があるんでな。」
「そうか。ウルフリックは斧を返したか。よし、お前は帝国軍に復帰しろ。我々ホワイトランは帝国軍と連合を組み、ストームクロークとの戦いに臨む。帝国のシピウス駐留大使がいるから、彼に報告すると良い。」
「んあ?まだねみいんだよ、起こすなよ。戦いが始まるなら、寝室じゃなくて戦場に向かえよ。」
がっくし。。
敵(ウルフリック)も同志(バルグルーフ)も男として素晴らしい奴なのに、何故拙僧の上司(シピウス)はこんなアホなんだ

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