「貴殿に怨みはないが、後の世の太平の為、お命頂戴致す。」
「依頼を果たしたぞ。例の巨人を倒した。」
「ほぉ。なかなかの腕前だな。どうやら単なる馬鹿ではなさそうだ。」
「おい、それがこの街を悪夢から救った恩人に対する言い草か?」
「はっはっは。冗談だ。お前さんには名誉ある従士の称号を授けたいが、その為にはまだまだ民の為に、働いてもらわんとな。」
「まだ不足かよ。」
「なんの。お前さんなら容易いことだろう。どれ?もう一件、依頼をこなしてみんか?」
「言っておくが、これが最後だぞ。」
「首長から聞いてるよ。厄介事を解決してくれる“便利屋”なんだって?」
「・・・。野郎、陰でそんな呼び方してやがるのか。後で 絞めてやる!」
「え?」
「何でもない、こちらのことだ。で仕事の内容は?」
「実は妖魔の洞窟というところに、うちの船員が大事な取引に使う塩を落としてきたんだ。取りに行けなくて困ってる。」
「思いっきり使いっ走りだな。塩ぐらいそこら中にあるだろう?」
「単なる塩じゃねえ。『極上の虚無の塩』だ。そう簡単に入手できるもんじゃない。」

「なら落とすなよ。」

「俺も今船員にそう言ったところさ。」
妖魔の洞窟は、名前の割りには大したことのない洞窟だった。
せいぜい熊が4匹同時に出てきて、ガオガオうるさかったぐらい。



おかげで『え?これで終わり?』てな感じで、スクショを撮り損ねてしまった。
大して広くもなく、トラップもなく、あっさりと目的のブツをGET!

いつもこの程度で済むんなら、冒険者稼業はボロい商売なんだけどなあ。
「塩を取り戻したのか!ありがとう、恩に着るよ。ここ一年間で始めての朗報だ。」

「これからも困ったことがあったら言ってくれ。いつでも相談に乗るぜ。」
いや、マジで。いいカモ見つけたかも。
「おお、聞いたぞ。またうちの民の苦境を救ってくれたらしいな。」

「こっちも聞いたぞ。陰で拙僧のことを何て呼んでるか。」

「・・・ははははははーーー。ま、まーいーじゃねーか。そ、そうだ。約束の従士の件、あんたに授けるよ。」

「そんなんで拙僧の気が済むとでも!?」

「わ、分かった!もしもの時には、ドーンスターいやペイル地方の皆がお前に手を貸そう。」
散々首長を脅して、さらに2,3の好条件を引き出した後、拙僧はペイルの従士となった。

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