「俺はいなくなった方が良い。」
監獄で面会したシンディングは、あっさりと自分が少女を殺したことを認めた。
「仕事を求めて、この街に来たんだ。募集の話を聞いたからな。俺でも務まると思って。」
「それが何故、こんなことになったんだ?」
「出会ってしまったのさ、あの子に。とても旨そうだと思ったよ。すぐにでも引きちぎりたかった。だが、こんな体じゃできない。牙も爪も巨躯もない。そして気付いたんだ。子供を餌として考えている自分の浅ましさに。」
「お前、もしかしてウエアウルフか?」

「ご明察。いかにも俺は人狼さ。だが変身をコントロールできてない。いわゆる不完全体。」
そういうが早いか、シンディングはウエアウルフに変身した。

そして牢屋を脱出して、逃げ去った。
・・・なんだよ、自由に変身できるじゃん。
他にもいろいろと言い訳したけど、結局は狼の血の衝動に負けた彼が悪い。
彼がいくら悔いても、少女は戻ってこないし、両親が癒されることもない。
しかも拙僧の目の前でトンズラこきやがって・・・。
奴は拙僧の手で成敗してくれよう。
まずは彼の追跡だ。
狩りのことなら、狩りの守護神ハーシーンの助力を仰ぐのが一番!
ということで、早速ハーシーンとの接触を試みた。
この地方に伝わる民話によれば、大白鹿を仕留めれば、ハーシーンが現れるとのことだが・・。
うわ!マジで出た。

PR