「この街の連中は皆、どうかしてしまったのか?」
「気づいたか、旅の御仁。」
「気づくも何も、こんだけ周りでワイワイ騒がれたらなあ。」
ナンパの場所を変えようと、ホワイトランからドーンスターへとやってきた拙僧だったが、
着いて早々に、住民の雰囲気がおかしいことに気が付いた。
どうも皆、眠ることを恐れているようなのである。

ともかく今夜の宿を確保しようと、宿屋兼酒場の『ウインドピーク』へとやってきたところで、同宿の神官風の男から酒を飲み交わしながら事情を聞き出す機会を得た。
「ヴァーミルナのせいなのじゃ。」
「ヴァーミルナと言ったら・・・」
「そう夢、特に悪夢を司るデイドラの女王じゃ。奴がこの街全員の夢に干渉するようになって久しい。おかげで、皆眠ることを恐れるようになった。本来、安息を得るための夜の時間が、恐怖と憔悴に取って替わったのじゃからな。」
「拙僧にとっても死活問題だな。寝るのを恐れてちゃ、ナンパどころじゃねえもんな。」

「ほう。どれ、私と一緒にこの街を救ってみんか?」
「いいだろう。だが、手があるのか?」
「ナイトコーラー聖堂に元凶があるんじゃ。あそこに行けばええ。」
やたら事情通なエランドゥルに従い、問題の聖堂へとやってきた。
このエランドゥルという爺さん、マーラの神官を名乗っているが、どうにも胡散臭い。
「どれ、ここに隠し扉があるんじゃ。解除するから、ちょっと下がっておれ。」
・・・本当に隠し扉があったよ。
この爺さん、絶対一見さんじゃねえな。ますます怪しい。
「下の方に半球が見えるじゃろう。あの中心に髑髏があるんじゃが、それが元凶じゃ。」

「爺さん、あんた何者だ?何故こんなにも事情に精通している?」
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